読売と朝日の比較スレッド その4

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21文責:名無しさん
今日は田中真紀子デーです。朝日、産経、毎日の3社が社説で取り上げ、日経と読売も記事として取り上げています。

・読売
(朝刊、2ページ、総合面中ほど)
「田中外相、米国務副長官と首相の会談見送りを指示」
「田中外相が小泉首相と米国のアーミテージ国務副長官の会談をセットしないよう外務省に指示していたことが九日、わかった。」
(4ページ、政治面トップ)
「外務省異様 人事凍結余波 外相は独断否定」
「暗いからと秘書官交代 ロシア課長には2人」

・朝日(社説)
「田中外相 ドタキャンは困ります」
「いったん内定した副大臣を交代させる。すでに英国への異動が発令された前ロシア課長を任地から呼び戻す。はては、来日したアーミテージ米国務副長官との会談を土壇場でキャンセルする。,...人事や発言と比べて、会談のキャンセルはずっと重大な問題だ。 」
「重いポストに就任したばかりで、気負いやとまどいもあるだろう。ただし、官僚機構に対する批判と、外交そのものをごっちゃにしてはいけない。アマ感覚を忘れず、しかも外交のプロをめざしてください、真紀子さん。」

田中外相が外務大臣として職務遂行能力がないことが露呈したのはご存じの通りです。田中外相の未経験に憂慮の念を抱いていた読売は今回の問題点と状況を記事としてかなり細かく掲載しています。上記の見出しの他に記事内容では政府、外務省内の声を紹介し、問題が小さくないことを伺わしています。

そこへゆくと朝日の社説は大人です。朝日は田中外相の問題点を指摘したのは今回が初めてです。今までは人気の高い女性外相と言うことで何かというと声を気持ちよく取り上げ、英雄に仕立て上げるような論調でした。ところがさすがに米国国務副長官とのキャンセルという外務大臣としての職務遂行能力が無いことを目の当たりに見せられ、批判的な記事を読者に示さなければ行けない状況になりました。そこで編み出されたのがこの社説です。

この社説のすばらしいところは田中外相をまともな大臣として取り合っていないところです。例えば、これが男性の大臣だったら即時任を要求していたところでしょう。森首相が同じ事をしたら無能を挙げへつらい、個人攻撃のすえに辞任解散を叫んでいたかもしれません。しかし、今回の相手は所詮女です。ここで非難しては、それが合理的な理由であろうとも女をいじめたと言うことになり、自分の無能を棚に上げ、上司や会社を逆恨みしながら働いている多くの女性達の強い反感を買いかねません。ここで田中外相を非難することは、男社会は働く女性冷たいというイメージを出してしまい、朝日がその片棒を担いでいると読者に取られる可能性があるのです。そのため、柔らかい口調の見出しと、おどけた文章の締めが有効です。まじめにとられるよりちゃかすぐらいが適当です。ちょうどオフィスでまじめに仕事をしない、独身の男にぶりっこをし、退社後の食事の今年か頭にないOLをちゃかす要領です。「ドタキャンは困ります」、そして「外交のプロをめざしてください、真紀子さん」。ファーストネームでこう呼びかけることにより、文章全体がやさしく親しげになっています。女性批判の後味の悪さは残りません。

しょせん女です。読売のように大臣としてあつかい正論を述べるよりも、朝日のように女性軽視的ですが、最初は木に登るぐらいおだてて、ミスについては軽くちゃかして扱うぐらいが読む方にとっても安心です。読売はもっと女性のことを勉強しましょう。