産経抄ファンクラブ第195集

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805文責・名無しさん
【産経抄】
3月8日

まもなく東日本大震災から3年になる。新聞もテレビも3・11は、震災一色になろうが、
前日の3・10も日本人、ことに東京のお年寄りにとって忘れがたい一日である。昭和
20年3月10日午前0時過ぎ、325機のB29爆撃機が東京に来襲、30万発以上の
焼夷(しょうい)弾を投下した。
▼下町を中心に東京は火の海となり、10万人以上の人間が焼き殺された。夜中の爆
撃の標的は、軍事施設でなく、密集した木造住居と市民だった。指揮したルメイ少将は、
後に「もし我々が負けていたら、私は戦争犯罪人として裁かれていただろう」と述懐したという。
▼忍び難きを忍び、耐え難きを耐えた戦後の日本は、原爆投下ですら「大虐殺だ」と
米国を責めたり、賠償や謝罪を求めることはしなかった。過去よりも今と未来が大事だったからである。
▼ケネディ駐日米大使は、準備不足ゆえか能力不足ゆえかわからぬが、日米関係を
日々、悪化させている。NHKの番組では、安倍晋三首相の靖国参拝を「建設的では
ない」と言い放ち、またまた心ある日本人を失望させた。
▼心ならずも戦野に散った兵士を悼む行為に難癖をつけるとは、人として最低だ。聞き
手の国谷裕子氏が「日米関係は安倍政権の一員、NHK経営委員、会長の発言で影響を
受けているといわざるを得ない」と質問したのにはもっとあきれたが。
▼NHKには優秀な記者が大勢いるはずなのに、どうしてフリーの彼女がインタビュー
したのか。しかも彼女は「日本女性の地位向上のためどんな支援を」と宗主国に頼み事を
するようにお伺いをたてた。日本女性の地位向上は、自らが努力して勝ち取るもの。
籾井勝人会長には、骨がらみになっているNHKの卑屈な根性を即刻、たたき直してもらいたい。