82 :
文責・名無しさん:
朝日新聞(7月11日) 耕論 尖閣国有化でどうなる
孫崎享「棚上げの現状、日本に有利」
尖閣を「日本固有の領土」と言いますが、わずか100年ほどの領土を「固有」と呼べるでしょうか。
一方で中国は、14世紀には尖閣諸島周辺にまで軍事的影響力を及ぼしていたことは歴史的にも明らかであり、尖閣は台湾に属し、
台湾は中国に属するから尖閣諸島は中国のもの、と主張しています。
1951年のサンフランシスコ講和条約で日本は千島列島と台湾の領有権を放棄していますから、中国の主張に決して根拠がないわけじゃない。
困ったことに日本の政治家も国民も、中国に対して強硬な姿勢を取ることが正しいと信じているようです。しかし世論におもねるような外交は、
国益を損ねます。こちらが突っ張れば中国も突っ張らざるを得なくなる。仮に軍事的衝突に発展したとしたら、
中国軍ど自衛隊の戦力差は圧倒的ですから、日本は完敗です。安保条約で米国が守ってくれるという考えも甘い。
国際的にも日本の主張は認められません。領土紛争をエスカレートさせない、というのが国際社会の常識です。
国内だけに通用する論理で中国を挑発すれば、国際社会から孤立するだけです。