【浪速風】
もし、あのパットが…だからゴルフは面白い(2月10日)
ゴルフはカップにボールを入れるまでの打数を競うスポーツである。カップは19世紀末に直径10・8センチと定められた。
それまではグリーンに適当に穴を掘っていたが、全英オープンを4度制したトム・モリスが、聖地セントアンドルーズに水道工事に使う排水管を切って埋め込んだ。
▼ボールは約4・3センチ。いかに絶妙な大きさかは、プロから我等ヘボゴルファーまで「もし、あのパットが入っていたら」とため息が尽きないことでわかる。
で、「もし、カップが大きかったら」と考えたのだろうか。米国で約4倍の38・1センチのカップが登場した。プレー時間を短縮して、ゴルフ離れを防ぐ狙いらしい。
▼が、それでは別のゲームになってしまう。
大相撲の土俵は15尺(4・55メートル)である。終戦直後、16尺に広げようとしたが、横綱双葉山が「15尺土俵上で精進を重ねて参ったのでありまして」と引退を表明し、たった1場所で元に戻った。
ゴルフも伝統を守ってこそ面白い。
http://www.sankei.com/west/news/150210/wst1502100040-n1.html