産経抄ファンクラブ第177集

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357文責・名無しさん
【浪速風】
司馬さんの“空想”の世は遠い(2月5日)


 梅棹忠夫さんは、西洋と東洋の間に「中洋」の世界があるとした。イスラム諸国も含まれる。「あすの建設をめざして、いまや苦悩のまっただなかにいるようにみえる。この苦悩からぬけだすことはまさに、現代の人類全体の課題なのである」。
50年以上前の論考は今に通じる。

 ▼司馬遼太郎さんは、紛争解決のためにスポーツのような共通のルールを「空想」した。
「他国を侵略するな。自国民に対する専制をやめよ。他国からカネを借りれば、かならず返せ。過剰な軍備をするな」の4か条で、「国家・民族あるいは宗教から超越」して「どの国もそれに服さねばならない」。

 ▼司馬さんは「二十一世紀には、右の“空想”の世が来(きた)らんことを」と書いたが、なお遠い。
パイロット殺害に対して、ヨルダンは死刑囚の刑を執行した。報復の連鎖を危惧する声があるが、それは違う。捕虜の虐待はルール違反である。「イスラム国」が国ではない無法集団であることがわかる。


http://www.sankei.com/west/news/150205/wst1502050028-n1.html