【浪速風】
1年をやり直したくなる「立春」(2月4日)
「立春大吉」のお札を見かける。もとは禅寺の風習で、一年の平穏無事を願う厄除けである。前日が節分だからか、こんな言い伝えがある。
4文字とも左右対称で裏から見ても同じに読める。家に入ってきた鬼がふと振り返ると門口のお札が目にとまり、まだ入っていなかったかと逆戻りして出て行ってしまう。
▼年によって異なるが、立春は前後に旧正月(今年は2月19日)があり、年の始まりと考えられている。雑節の八十八夜、二百十日、二百二十日などはこの日が起算日になる。
今年は相次ぐテロや凶悪事件など年明けから暗いニュースが多かった。立春からもう一度、やり直したい気がする。
▼まだ寒さの底で、北国からは豪雪の便りがしきりだ。それでも、立春を境に残寒、余寒と呼ぶように、季節は確実に春へと向かっていく。
出勤途中に服部緑地(豊中市)の梅林に寄り道すると、早咲きの紅梅がつぼみを開いていた。「音なしに春こそ来たれ梅一つ」(召波)
http://www.sankei.com/west/news/150204/wst1502040035-n1.html