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歴史教育加害を語らないのが中立か
朝日大阪社会部 高木智子
戦争による負の遺産、特に「加害」を語る場がつぶされようとしてはいないか。
朝日新聞阪神支局が襲撃されたことを機に始まった連載企画「『みる・きく・はな
す』はいま」の取材を担って、そんな思いを強くした。
大阪府の中学校で校長と向き合った。日本が朝鮮半島を植民地支配していた過去を伝える
プリントを授業で配ったが、回収したというので、その理由を聞いていたときだ。
「奪うという表現が、短絡的でした」かつての日本が朝鮮の人だちから言葉や土地、
名前を「奪う」とした表現や強制連行の人数が「一方的な見方だ」と抗議をされたという。
いろんな意見はあっていいが、プリントに違和感はなかった。けれど学校は「奪う」は感情的で
発達段階の生徒にはいかがなものかと回収。教科書のコピーに差し替えた。た長崎県の離島の中学校では、
南京攻略戦の頃に「百人新り 超記録」と報じた新聞記事の見出しを紹介。
教師は平和な時代と比べ、戦争になると人を殺すことが英雄視される世相を伝えようとした。
>>482に続く