産経抄ファンクラブ第150集

このエントリーをはてなブックマークに追加
385Isogawa Takuji ◆.GEUF45Sqk
2011年4月7日 産経新聞 朝刊11版3面>>384

心のストレス、敵は「根拠ない恐怖心」
米が放射能被害ケア「日本語版」

【ワシントン=佐々木類】

 東日本大震災に伴う福島第1原発事故で、米政府は啓蒙(けい
もう)活動の一環として、地震や津波に加え、放射能被害に関す
る心的ケアをまとめた手引書を作成、日本語への翻訳を進めてい
る。米国が精神医療面からも日本支援に乗りだした形だ。専門家
は放射能被害に対する心的ストレスに着目、「根拠のない恐怖心
こそ、心身の悪化を招く原因」と警鐘を鳴らしている。

 米保健福祉省の薬物乱用・精神衛生管理庁(SAMHSA)が
地震、津波、原発事故に伴う放射能被害に関する官学組織の論文
や助言集をネット上に集約したもので、地震発生直後の3月中旬
に作成に着手、このほど完成した。

 日本では災害や重大事故後に発症する心的外傷後ストレス障害
(PTSD)に関する研究は盛んだが、放射能被害への心的ケア
は手薄だ。このため、誤った知識や情報によるパニック防止の観
点から、在日米国人と日本人向けに対処策を盛り込んだのが特徴
だ。
386Isogawa Takuji ◆.GEUF45Sqk :2011/04/08(金) 22:26:46.56 ID:dVczWSqo0
続き>>385

 放射能被害項目では、ユニフォームド・サービシーズ大(米メ
リーランド州)心的外傷性ストレス研究センターの提言を紹介。

 「放射能事故後、妊婦や小さい子連れの母親は子供の将来への
影響を心配し、妊婦の中には中絶を考える人も出てくる」と独断
による危険性を指摘。こうした女性には特に、放射能被害の実態
をきちんと説明し、相談に乗ってあげることが大事だとしている。
また、米原子力規制委員会(NRC)がホームページに掲載した、
日本の原発事故に関してよく出る質問とその回答集をリンク。過
度の恐怖心を抱かないよう、日米両政府の情報入手先を示してい
る。

 SAMHSAのクザーン広報担当は「原発事故への正確な対処
方法を広く知ってもらうことで、心理的な負担を軽くしてもらう
のがねらいだ」と語った。
387Isogawa Takuji ◆.GEUF45Sqk :2011/04/08(金) 22:28:45.58 ID:dVczWSqo0
続き>>386

肉体的影響より深刻
 フレッド・メトラー米ニューメキシコ大名誉教授(放射線学)
「旧ソ連のチェルノブイリ原発事故では、放射能漏れに伴う長期
的な肉体的影響よりも、精神的な影響がより深刻な事態を引き起
こした。東日本大震災では地震と津波に原発事故が重なったため、
精神衛生上の悪影響はより深刻になると予想される。チェルノブ
イリでは、汚染地域の90%の人が『病気になる』と不安を訴え、
汚染されていない地域の人でも30%が『病気になる』とし、因
果関係がないのに頭痛や倦怠(けんたい)感を訴え始めた。実際
には、高血圧症の人の割合が高かったが、原因は塩分の取りすぎ
だった。米スリーマイル島原発事故でも似たような現象が報告さ
れた」


数十年後でも蔓延
 スティーブン・ベッカー米アラバマ大教授(災害心理学)
「原発事故の問題は、実際の放射能被害よりも心理的な影響の方
が大きいことだ。恐怖心がトラウマとなり、不安症や無気力、極
端な悲観論者になったり、原因不明の肉体的な変調をきたしたり
する。数十年後でもこうした症状はなくならないどころか、社会
に蔓延(まんえん)する恐れすらある。スリーマイル島やチェル
ノブイリ原発事故の調査結果だと、母親が放射能が与える子供の
人体への影響への恐怖から、心理的不安に陥りやすい。福島第1
原発事故は、東京電力の情報公開の不透明さが住民の不信感を招
いた。心理的な悪影響を防ぐためにも政府が情報の透明性を確保
する努力が何よりも大事だ」