中西一清スタミナラジオ
テキスト起こし
西暦2010年 平成22年 皇紀2670年 12月29日放送分
中西:
さあ水曜日は独立総合研究所の青山繁晴さんです。青山さんおはようございます。
青山:
おはようございます。
中西:
民主党のバトルはどうやら年を越しましたね。
青山:
そうですね。
中西さん、今、実は僕は手術して入院中なんですけれども、
中西:
あららら、はあ。
(つづく)
青山:
いやいや、あの全然たいしたこと無くて、あの、まもなく退院だし、
たまにこういうことあると、自分の死生観が深まって、むしろいいんですけれども、
まあ、いくらか非日常ではあるんですけどね。
そのなかで、この、小沢さんの政治倫理審査会に出ますよという記者会見を見まして
まあ、これはまあ、いつものことだと、いつもの民主党につきものだと思いつつ、
実はとても、ある意味で驚いたんですね。
というのは、その、小沢さんが政治倫理審査会に、一転、出席する、
というのはまあ驚かないんですよ。
というのは、まあ管さんが攻勢に出て、このまま国会に出てこないんだったら
党やめてくれって言ってるわけですから、
それに反撃しようと思ったら、一転、出ますよって言うしかないわけですからね。
だから、そのこと自体は、ほんとは驚きじゃないんですが、
驚いたのは、あの小沢一郎さん、僕も政治記者時代、担当しましたから、
20年以上、小沢さんのやり方って見てきたわけですけども、
あの小沢さんが、ここまで曲がりくねった癖球を投げて、
それも、すぐ底が割れてしまうってのは始めて見たんですね。
つまり、あの、政治倫理審査会に一転、出ますよっというのが癖球じゃなくてですね、
そこに、わっかりにくい条件つけてたでしょ。
あの、記者会見、最初に聞いたときは、僕も「はあ?何が言いたいんだろう」
と思ったんですが、要は、縮めて言えば、なんのことはない。
その、国会始まらないと出ないよって言ってるわけですね。
で、しかも、国会始まって、野党の側が、小沢が国会で説明しないから
予算の審議やらないんだと、そういうことがハッキリしてからでないと
私は出ないって言ってるわけですね。
(つづく)
青山:
ところが、管さんだけじゃなくて、管代表、それから幹事長の岡田さんが、
正式な手続き踏んで、民主党で既に決定してるのは、
来年の通常国会が始まる「前に」小沢さんは国会で、国会にあえて出てきて、
そこで、金と政治について説明しなさいということだったわけですが、
だから、あの、そこまで考えて初めて、
ああ小沢さんは本当は拒否してるんだと分かるわけですね。
で、何のために拒否してるかと言うと、
本当は国会審議が上手くいかないのは俺のせいじゃないと。
仙石官房長官のせいであって、
どうしてかと言えば、もう問責決議になってるじゃないかと。
だから、その、自分じゃない仙石さんや、
あるいは仙石さんたちを守ろうとする管さんが悪いんだよと言うのを見せたかったわけですね。
で、これがまあ、あの、管さんや岡田さんの動きがいつもどおり鈍くて
しばらく、なんだかんだやってれば、小沢さんの作戦あたったんでしょうが、
昨日はそうじゃなくて、その、管さんがさっさと動いてですね
例えば記者団にはすぐ、党の決定って言うのは
国会始まる前に出てきてくださいってことなんだから
小沢さんは党の決定に従っていただきたいと、いうふうに言ってですね。
で、しかも、すぐ岡田幹事長、官邸に呼びつけて、
2人で、これはやっぱり無条件でないといけないよねと、
小沢さんの言ってるのおかしいよねということで一致して、まあ国民に見せ付けたわけですね。
で、したがって、その、すぐ底が割れちゃったわけです。
で、これを見ますとね、ああ小沢さんて本当に追い詰められてきたんだな
っていうことを――
(つづく)
中西:
ああ、追い詰められてきた。
青山:
ええ、追い詰められてますね。
あの、今、年の瀬ですけども、小沢さんも、
いわば政治生活の締めくくりのところで本当に追い詰められてますね。
中西:
ああ、もうぎりぎりのところに来てるわけですか。
青山:
そうですね。で、それと同時に、また違うことも思いまして、
あの、管さん岡田さん、特に管さんについて言えばですね
外交でもこれぐらいやって下さいよって言うことなんですね。
外交でもこれぐらい相手国に、あるいは世界に分かるように
すぐに動いてくれれば、発言してくれれば
今年の日本外交がもう、崩れ落ちて行ったようなことは無かったわけで
そうすると、あくまで日本の政治、現在の政治っていうのが
本当に内向きなんだなというのが、もうひとつ分かりますね。
(つづく)
中西:
しかし、今年はあの、外交問題が、
日本の内向きの元気を奪う要素のひとつになりましたよね。
あの、尖閣問題なんか、いい例ですよね。
日本人が、なんか、自信を無くしてしまうような、
そういったことをやってくれました。
青山:
ええ、まあそのとおりなんですよ。
そのとおりで、今年は酷い年だったんですけれども。
ただ、今、中西さんがおっしゃった尖閣問題についても
尖閣と言う言葉を知らなかった人も、
今年はもう、ほとんど全員これを、ご存知になりましたね。
だから、酷い年だったけれども、
逆に言えば、現在の日本人と日本国に何が欠けているのかが
私たちによくわかった年だと思うんですね。
中西:
そうですね。
(つづく)
青山:
あの、年末だから無理に言うんじゃなくて、あの、これはもう希望の始まりだと思います。
で、そのうえでね、あの、もういちど話戻しますと
昨日の小沢さんの記者会見に端を発した一日の騒動を見てますと
もうひとつ分かるのはですね
政権交代が失敗した本当の原因というのが、僕、分かると思うんです。
というのは、あいかわらず争っているのは
鳩山さん管さん小沢さんのこの3人のトリオなんですね。
で、このなかで鳩山さんも昨日の小沢さんの記者会見の、
まあ直前に会ってですね、いや仙石官房長官こそ問題だと言うことで
この争いの中に自分から、割って入ってるわけですね。
で、これ見てると分かりますのは、去年8月30日に民主党が総選挙に勝って
その後、新政権が9月に始まる前に、
その間に、鳩管小沢のトリオは本当は自分たちの役割はこれで終りましたと、
次は第二世代で政権を作ってくださいと、去るべきだったというのが分かると思うんですね。
とうのは無理なことを言ってるんじゃなくて、
実は今からたった150年前の幕末の日本人は
新政権で出世するために戦ったんじゃありませんね。
そんな人はいなかったわけです。あの、記録を見ますと。
例えば今年、またブームになった坂本龍馬さんも、まあ、直接的な原因は暗殺でしたけれども、
三十過ぎの若さで去りましたけれども、悔いは無かったと思います。
あの、今年、僕、またお墓参り久しぶりに致しまして、改めて、そう痛感したんですけれども、
坂本龍馬さんも含めて、あの、京都の霊山という山に葬られた幕末の志士たちは皆、
祖国を救うのだけが目的で、新政権でえらくなるために戦ったわけじゃなかったんですね。
中西:
その祖国を救う方法論で、もめたんですよね結局ね。
あの、明治維新、というか幕末はですね。
(つづく)
青山:
そうです。あの、そうやって、おっしゃったとおり
もめて、最後には、龍馬さんが嫌がった戦争にもなったわけですね。
戊辰戦争にもなったんですけれども、
しかし、その、自分が偉くなるためじゃなくて、国を救いたいという気持ちがひとつだったから
明治維新政府になったら、まあその薩長の争いなんかはあっても
列強に犯されない奇跡の明治維新を成し遂げたわけですね。
で、そうすると、本当は、そういう、
私たちの、いわばDNAに戻ることが大切なんだと、いうことを確認した年だったと思うんです。
で、中西さん、今日最後にお話しするのは
新年は、すぐ春になると、私たちの考えが問われる時が来るかもしれません。
というのは、このままでは、春に政権が行き詰るんです。
というのは、ご承知のとおり、予算そのものは春に成立します。必ずします。
それは、憲法に衆議院優先であると書いてありますから。
ところが、予算を実行するため、執行するための関連法案、
これは特別扱いじゃありませんから、参議院で否決されて、それで終わりになるんですね。
しかも、もっと分かりやすく言えば、この予算関連法案の中に何があるかと言うと、
何が含まれてるかと言うと、子供手当て法案もこの中にあります。
それから、赤字国債を発行するための、特例公債法案というのもこの中にあるんです。
つまり、これが否決されると言うことは子供手当て出来ませんし、2011年度は。
それから、さらに赤字国債を発行できないとなると、
なんと、予算の財源のうち44%が入らないんですね。
で、したがって、行き詰まります。
で、民主党は、このまま総選挙やれば、100議席どころか200議席減らすこともありえますから、
衆議院解散だけは避けようとします。
しますけれども、ひょっとしたら国民に信を問わなきゃいけない場面もありえますから、
僕らは、今日、あえて問題提起したことも、ふまえて、そのときに備えて、
今のうちに、いろんな考えを決めておくべき時期が春に向かって、来ると思います。
(つづく)
中西:
なるほどね。はい。よく分かりました。ありがとうございました。
青山:
はい。ありがとうございました。
中西:
お体に気をつけてください。失礼します。
独立総合研究所の青山繁晴さんでした。
(おわり)
「ニュースの見方」
要約してみますが、補足とか貰えたら幸いです。
12月29日現在
青山さん手術済み、入院中。まもなく退院。
管さん:小沢さん、政倫審出ないなら党辞めてね。
小沢さん:国会始まらなきゃ出ないよ。
悪いのは仙谷さんでしょ?誰のせいで予算審議できないのかハッキリしなきゃ出ないよ。
管さん岡田さん即答:国会「前」って言ったでしょ。
小沢さん、追い詰められてきた。
管さん、外交でもそのぐらい積極的にやれ。
尖閣、酷い年だったけど、逆に言えば、
日本に何が欠けているか、よくわかった年。
希望の始まり。
民主党の政権交代が失敗した原因
鳩管小沢は政権交代時に去るべきだった。
国のため○ 出世のため×
幕末志士をみならえ。
春に解散総選挙の可能性あり。
国民は今のうちに、考えを決めておくべき。