【今度は流鏑馬かw】韓国発祥の「騎射」、8月に国際大会 /束草
すべてが「矢」のようだった。イ・パングン選手(37)が「やーっ!」と叫ぶと、愛馬「十字星」が全力で走り始めた。
十字星のひづめで蹴られた地面がえぐれ、赤褐色の土の塊が四方に飛び散った。的に近づくや、力一杯口をつぐんだイ選手が弓の弦を引いた。
時速50キロで疾走する十字星の背に固定されたかのように、イ選手の上体と腕は少しも揺らぐことはなかった。
シューン…バシッ! イ選手の手を離れた矢は、的の真ん中に打ち込まれた。
今年8月15、16日の二日間、江原道束草市で第5回国際騎射(馬に乗って矢を射、的に当てる競技)大会が開かれる。
この大会に出場する韓国選手6人は現在、同市の永カ湖花郎徒修練場で訓練を行っている。
「騎射」は、馬に乗って武器を扱う技術を伝授している韓民族伝統馬上武芸・撃毬協会(キム・ヨンソプ会長)が
馬上弓技を正式スポーツの形態に整え、2004年に第1回大韓民国花郎騎射大会を開いたことで、韓国内外に知られるようになった。
乗馬と弓技の伝統が発達している日本や米国、ドイツなどから同大会を観覧しようと人が集まり、
06年には韓国を議長国として世界騎射連盟(現在の加盟国は20カ国)が創立された。
今年8月の大会には、韓国だけでなく海外15カ国から選手80人余りが参加する予定だ。
国際騎射大会の特徴は、各国特有の伝統の弓を競技に用いることを許可している点だ。
そのため各選手は、自国固有の弓に対する自尊心をかけて競技に臨むことになる。
今大会に出場する日本、モンゴル、フランスなど11カ国は自国の弓で競技を行い、
イギリスやドイツ、米国などは、自国の弓ではなく韓国固有の弓を使う。なお大会の便宜上、韓国の馬を用いる。
騎射競技には、単射・速射・連続射の3種目がある。いずれも馬に乗って走りながら的を狙い、
点数を競う。的は正方形(縦・横1メートル20センチ)で、走路から30メートル離れた地点にある。
的には2点から5点までの同心円が描かれており、円から外れて的に当たった場合は1点となる。
的に当たった点数と定められた区間を通過する時間を合算し、点数を出す。