【アンカー】青山繁晴 Part10 【ぶったま】

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394文責・名無しさん

東は日本、西はヨーロッパまで、文化の中心は高句麗・・・中国ではない


 目を閉じて千五百年だけ遡ってみよう。再び目を開いたあなたの周りに美しい山河は無いだろう。しか
し韓半島三千里を超えて、北方ユーラシア大陸の大草原を駆け抜けた馬の蹄の音が、きっとあなたの耳
に残っているに違いない。紀元前一世紀に建国し五世紀には東アジアの四強として君臨した国。ユーラ
シア大陸東西の文化交流の中心的役割を果たした東北アジアの覇権国家。あなたはその高句麗の後裔
なのだ。

 高句麗古墳壁画を実物のように再現した絵が、16日から『モンゴル−トルコ・ベルト地帯』の巡回展示に
出発した。韓国外交通商部と東北アジア歴史財団が主催するこの展示会は、モンゴルを皮切りにカザフ
スタンとキルギススタンで高句麗文化と歴史を披露する。『モンゴル−トルコ・ベルト地帯』とは紀元前六世
紀から近代社会まで、ユーラシア大陸北方を横切った、文化ベルト地帯のことだ。

 詩人コ・ウンはモンゴルとシルクロードの大草原を『私の心の宿営地』と詠じた。韓半島の北方から東ヨ
ーロッパまで至る大草原は、彼にとって夢見る大陸空間だった。高句麗人が馬で駆け抜けた北方大陸。
高句麗人が墓の中でまで夢見た大陸西端の遠い地が生き生きと描かれた高句麗壁画が、初めてモンゴ
ルに展示されたのだ。

 中央アジアのサマルカンドの大草原を経由して、韓半島を経て日本列島まで。古代文明交流の中心地
がまさに高句麗だった。だから今回の展示会は少なくとも千五百年以上を遡る、私たちの文明の起源を
探す旅でもある。モンゴル現地メディアは『五世紀の韓国を歓迎します』として今回の展示を喜んだ。