やっちゃった!今日の朝日のドキュン記事 その89

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13文責・名無しさん
朝日読書面 『たいせつな本』 雨宮処凛(作家)上

■山本三春『フランス ジュネスの反乱』
 大月書店・2100円、08年6月刊/やまもと・みはる 59年生まれ。パリ在住のジャーナリスト。 

 連帯するフランス 日本の冷たさ対照的

 一月末、フランスでは雇用の維持などを求めてゼネストが行われ、200万人規模のデモが街をにぎわした。
まるで06年の「CPE」反対運動のような光景が再び現れた。
 『フランス ジュネスの反乱』は、05年にパリ郊外で起きた「暴動」と、翌年に起きた、若者を使い捨てにするような
法律「CPE」への反対運動の広がりを感動的に描いている。
 郊外の若者を「社会のクズ」と言い放つサルコジ、「市場競争に勝ち抜けない人間は黙って死になさい」というような
労働市場の規制緩和に対して、若者たちは立ち上がり、それを労働組合や教師、父母などの「大人」が支援する。
 そこにあるのは、徹底した「権利意識」と「連帯」の心だ。フランスの大人たちは、若者の働く権利が破壊されれば、
自分たちの権利も奪われることを知っている。だからこそ、大規模デモで少々迷惑をかけられようとも怒ったりしない。
安易な「若者バッシング」などはなく、若者も大人も世代間対立という罠にもひっかからない。フランスには
「よりよく統治するためには分断せよ」という誰でも知っている格言があるという。だからこそ、分断を越えて連帯できる。
 現在、日本では3月末までに40万人が失業すると言われている。しかし、この国ではゼネストや数百万人のデモは
起こっていない。それは私たちが権利意識を育む以前に、徹底して「管理」され、「分断」されてきたからではないだろうか。
だれかが声を上げれば「KY」となじられ、行動を起こせば「迷惑」と眉をひそめられ、冷笑される。しかし、フランスの
若者たちは主張し、行動し、現実に「CPE」を撤回させた、そして、フランスの大人たちはそれを支えてきた。
 この本を読むと、日本の異常さ、冷たさ、そして自分たちも含めた大人たちの未熟さが浮かび上がる。私たちは
もっと声を上げていいのだ。「未来をよこせ!」と。