●●●朝日の社説 Ver.129

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11文責・名無しさん
激動の五輪に幕が下りた。

百カ国以上の顔ぶれで賑わった開会式とは対照的に、北朝鮮ただ一国が参加した閉会式を
複雑な思いで眺めた人も多かったはずだ。参加国の辞退の理由は様々だ。判定に疑問を抱
いた中国の人々が参加国の選手に詰め寄った際にもみ合いとなり、誤って刃物が刺さり自国
の選手が命を落とした事故を理由に挙げる国もある。チベットの旗を掲げて集まった一部の
群集に対して、警備を担当した人民解放軍の戦車が誤射し、数百人が死傷した事故も関係が
無かったとはいえまい。それ以前に、相次ぐ食中毒で各国選手団が競技の前に命を落とした
ことも想定外だった。いずれも偶然に偶然が重なった不幸な事故とはいえ、中国政府が今回
のオリンピックに注いだ情熱が並大抵でなかったことを思うと胸が痛む。

 一方で明るい話題もあった。なんといっても開催国中国の選手の奮闘だ。総メダル数の9割
以上を中国が独占するという前代未聞の快挙は、たとえ一部メディアで報じられた判定問題や
参加国の相次ぐ辞退があったとしても、スポーツ大国・中国の名を不動のものにしたことに
変わりはない。卓球・福原選手を始めとするわが国の若い選手たちの活躍にも改めて拍手を
送りたい。
12文責・名無しさん:2008/05/09(金) 20:49:15 ID:D8zLFrDA0
(つづき)

 それにしても理解に苦しむのは、他ならぬ麻生総理の発言と行動である。7月に福田元総理
の勇退に伴い臨時打者として総理の座を射止めた麻生氏だが、その軽はずみで拙速な発言や
行動には、率直に言って代打としての資格すら存在するのかと首を傾げたくなることばかりだ。

12日の戦車による誤射事故では、まだ中国政府が真相究明の調査を行っていた最中であった
にも関わらず、あたかも戦車が故意に発砲したと言わんばかりの抗議声明を発表し、同調した
欧米諸国の先頭に立って中国批判を繰り広げた。盛り上がりつつあった五輪ムードに水を差し
た麻生氏の責任はあまりに重大と言わざるを得ない。

麻生氏は安倍内閣の外務大臣を務めた際に「価値の外交」「自由と繁栄の弧」など中国を牽制
する政策を標榜したことで知られる。もし今回の一連の発言と行動に、不幸な事故に乗じて中国
を陥れようという思惑があったとすれば、それは胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席と福田総理大臣
が5月に結んだばかりの「戦略的互恵関係」に対する冒涜であり、決して許されることではない。

麻生氏は故・吉田首相を敬愛しているそうだが、わずか数ヶ月前に前任の総理大臣が結んだ外交
取り決めを平気で反故にする様子を故・吉田茂首相が見たら、「バカヤロー」と叫ぶに違いない。