●●●朝日の社説 Ver.125

このエントリーをはてなブックマークに追加
261文責・名無しさん
宇宙から「アンニョンハセヨ」

 男性飛行士から女性飛行士へ。韓国初の宇宙飛行をめぐって土壇場での
交代劇が大きな話題になっている。
 韓国は約30億円でロシアのソユーズ宇宙船に席を確保、悲願の初飛行に
向けて、来月8日の打ち上げを待つばかりになっていた。栄誉ある第1号飛行
士は約3万6千人から選ばれたコ・サンさん(31)だった。
 ところが、打ち上げまで1ヶ月を切った10日、控えのイ・ソヨンさん(29)への
突然の交代が発表されたのだ。
 コさんが、訓練の書類を無断で持ち出すなど規則違反を重ねていたことがロ
シア側にとがめられたという。熱心さが過ぎてのことか、事情はよくわからない。
直前の交代で控えがいなくなる異例の事態だ。
 コさんには気の毒だが、韓国の女性にとっては画期的な出来事と歓迎する声
が上がっている。女性が先に宇宙飛行をした例は、英国などにあるだけだ。
 イさんは生物工学の博士号を取ったばかり。テコンドーが得意で、学生時代は
ロックグループのボーカルだったそうだ。
 土井隆雄さんが現在滞在する国際宇宙ステーションを、土井さんたちと入れ違
いに訪れる。実験などしながら1週間余りすごした後、長期滞在中の3チームの
リーダーで生化学者でもある米国のペギー・ウィットソンさんらとともに帰還する
予定だ。
 3人乗りのソユーズ宇宙船に女性が2人乗り組むのは初めてという。地上への
道すがら、科学談義に花が咲くだろうか。

2008年3月14日(金)朝日新聞夕刊2面 「窓」論説委員室から