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日刊スポーツ 2月17日(日) 社会面
『政治の時間』 朝日新聞コラムニスト 早野透
「現実的」韓国・李次期大統領にHANAへし折られる?!
10、11の両日、自民党の加藤紘一元幹事長を団長に、山崎拓元副総裁を顧問とする自民、公明、民主、社民の17人の
議員が韓国を訪問した。これが永田町に波紋を呼んでいる。 何しろ、彼らがソウルについたその夜、韓国の国宝第1号、
南大門が全焼した。「驚きました。とんだ巡り合わせで」と公明党副代表の東順治。
一行は、ソウルで経済界代表、言論界代表と懇談した。主な韓国メディアが勢ぞろい、「李大統領になって、社会が明るくなった」
と異口同音に聞かされた。そして25日に就任式を迎える李明博(イ・ミョンバク)次期大統領に会った。会談の冒頭、団長の加藤は
「まだ予算を全然使っていないのに、社会を明るくしたそうですね」とあいさつした。 一行の李次期大統領の印象はとてもいい。
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2/3:2008/02/17(日) 20:38:38 ID:fbQm7Knc0
「李さんは、コンブルと呼ばれているそうですよ。日本にもかつてそう呼ばれた政治家がいましたが」と東の話。
コンブルとはコンピュータつきブルドーザー。建設会社のサラリーマンから経営者、ソウル市長、ばりばり働く実業家だった。
日本では「列島改造」の田中角栄のニックネームだった。加藤は「李さんは実利主義、現実主義ですよ。脱イデオロギーだな」と
評価する。そうか。冷戦の最前線にあって、内戦の悲劇を味わったこの国も、ついに経済重視の国家になったんだな。
なお北朝鮮との分裂は続いているけれども。
一行が李明博の予備知識として持っていったのが、李が書いた「今も心の中に生きている母」という一文だった。李は4歳まで
日本の大阪で育って終戦後、韓国に帰った。「母は亡くなって30年たつが、私が疲れると力を与えてくれるし、私の心が揺れると
正しい方向に導いてくれる」李は母のことをこう語り出す。母は行商や屋台で働きながら「正直に生きないでお金持ちになるより、
真っすぐ正直に貧しい生活をするほうが堂々とした人生だ」と教えてくれたと書きつづっている。李が学生運動でつかまったときは、
母は刑務所に面会にきて「正しいと信じたら最後まで闘え。あなたのためにお祈りしている」と励ましてくれた。
「母はきっと刑務所の門を出た瞬間に座り込み、涙を流しただろう」と李は書いている。
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3/3:2008/02/17(日) 20:40:23 ID:fbQm7Knc0
1泊2日の訪韓から帰った一行の人々に聞き回ると、みんな声をひそめてささやくのは「韓国ではHANAということを言うんですよ」
という話である。HANAってなんだ?
Hは平沼赳夫、Aは安倍普三、Nは中川昭一、Aは麻生太郎だそうである。韓国のジャーナリズムでは、これからの日韓関係を
「実利的、現実的」に育てていくのにHANAの政治家4人は「イデオロギーテ的」でどうも困るということらしい。
この4人、自民党のなかでもナショナリズムの強いタカ派政治家の代表格である。韓国はこれから「実利的、現実的」に日本と
つきあおうと思っているのに、日本側からまたイデオロギー的な発言があって韓国のナショナリズムが抑えられなくなると困るね、
ということらしい。
今度の一行、加藤、山崎をはじめ、野田毅、中谷元ら安倍政権に抵抗していた人たちが多い。民主党からは仙谷由人、枝野幸男ら、
こちらは反小沢代表と目される名前が並ぶ。社民党からは辻本清美。加藤、仙谷を軸にいわば超党派ハト派というべきか。
「ここから政界再編ということもありうる」ことを山崎が遠まわしに匂わせたりするものだから、永田町にはいささか気にする向きもある。
それはともかく、韓国がここまで変わってしまうと、いまさら靖国参拝とか従軍慰安婦は強制ではなかったとか、
そんなことで日本が力んでみても見当はずれなことになる。時代は未来志向である。HANAの皆さん、時代遅れにならないように。(敬称略)