<防衛汚職>守屋前次官を再逮捕 360万円わいろ受領容疑
12月18日17時54分配信 毎日新聞
前防衛事務次官の守屋武昌容疑者(63)が防衛専門商社「山田洋行」元専務、宮崎元伸容疑者(69)側から約364万円のわいろを受け取った疑いが強まり、東京地検特捜部は18日、
前次官を収賄容疑で、元専務を贈賄容疑で再逮捕した。
前次官と業者の癒着は、ゴルフ旅行接待にとどまらず、多額の資金が提供された汚職事件に発展した。
立件されたわいろの総額は、ゴルフ旅行接待と合わせ約750万円に達した。
◇幸子容疑者は処分保留で釈放
特捜部はほかに、山田洋行の米国子会社元社長、秋山収容疑者(70)=業務上横領罪などで起訴=を贈賄容疑で再逮捕。
収賄容疑で逮捕していた前次官の妻幸子容疑者(56)は「関与が従属的で反省もしている」として、処分保留で釈放した。今後、起訴猶予処分とするとみられる。
調べでは、前次官は防衛装備品の納入で便宜を図る見返りとして、元専務側に
(1)04年5〜6月、妻名義の口座に4回にわたって218万円余
(2)06年2月、米ニューヨークの次女名義の口座に145万円余
−−の計約364万円を振り込ませた疑い。原資は、秋山容疑者が米国で管理していた裏金とされる。
妻の口座への振り込みは前次官側が依頼し、長男の借金返済や生活費などに使われた。
次女の口座への送金は元専務が持ち掛け、米国での滞在費などに充てられたという。
一連の資金提供について、前次官は「元専務が有利な取り計らいを期待していたと分かっていた」などと供述。
元専務もわいろだったと認めているという。
前次官はこうした利益提供の見返りとして、次期輸送機(CX)や次世代護衛艦のエンジン、生物兵器を検知する生物偵察車の車載装置納入など、元専務側にさまざまな便宜を図ったとみられる。
再逮捕に先立ち特捜部は、前次官と元専務をゴルフ旅行接待の贈収賄罪で起訴した。
【特集 防衛省問題】 事件の経過などはこちらから
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