●●●朝日の社説 Ver.117

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557文責・名無しさん
朝日新聞2007年10月4日 夕刊2面 窓 論説委員室から

「産経抄」の自己矛盾

 「朝日新聞をたたくのは自由だが、事実の確認だけはくれぐれもお忘れなく」
 先月28日のこの欄〔らん〕で、産経新聞の1面コラム「産経抄〔しょう〕」にそう呼びかけたところ、
3日の「産経抄」でお返事があった。
 いやはや驚いた。こちらの指摘はほっかむりしたまま、こんどは沖縄〔おきなわ〕戦の集団自決を
めぐる29日の県民集会の報道をとりあげて、朝日に「事実の確認だけはくれぐれもお忘れなく」と
切り返してきたのである。
 朝日新聞は朝刊1面で「沖縄11万人抗議」の見出し(東京本社最終版)で大きく報じたが、
「11万人は主催者発表の数字です」「関係者によると、参加者は最大で4万3000人だそうです」
というのだ。
 ならば当然、産経は「参加者は4万3000人」と書いているのだろう。そう思って記事を探すと、
社会面にこんな見出しがあった。「撤回求め11万人集会」
 何だ、同じではないか。
 首をひねりつつ2日の「産経抄」を読み返すと、そこにもこんなくだりがある。「11万人(主催者発表)
が参加した」
 11万人という数字が主催者発表であることはその通りだ。朝日の記事も「参加者は主催者発表
で11万人」と明記している。
 自ら11万人と繰〔く〕り返しながら、やはり11万人と書いた朝日をたたく。自己矛盾〔じこむじゅん〕
としか言いようがない。
 きちんとした批判なら耳を傾〔かたむ〕けたいが、意味不明の批判には答えようがない。重ねての
忠告で恐縮〔きょうしゅく〕だが、事実の確認だけはくれぐれもお忘れなく。
 〈恵村順一郎〉