米 大統領 逮捕       

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<中東和平国際会議>米大統領の「ユダヤ人国家」発言が波紋
11月28日10時58分配信 毎日新聞【エルサレム前田英司】

パレスチナ和平交渉の難題の一つは第1次中東戦争(48年)で現在のイスラエル領(占領地を除く)を追われたパレスチナ難民の処遇を巡るイスラエルとパレスチナの対立だ。
27日の中東和平国際会議でイスラエルを「ユダヤ人国家」と定義したブッシュ大統領の発言は、パレスチナ難民の自国領への帰還を拒否するイスラエルの方針を追認したとも受け取れ、パレスチナ側の反発を招きそうだ。

ブッシュ大統領は演説で和平達成策として「イスラエルがユダヤ人のホームランドであるように、パレスチナ人のホームランドとしてパレスチナ国家を樹立する」と強調。
さらに「米国はユダヤ人国家としてのイスラエルの安全保障に関与する」と明言した。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、ヨルダンなど周辺国への離散者を含めた難民の総数は約440万人。
パレスチナ側にとって難民は「反占領」の象徴で、故郷に戻る帰還権の確立を一貫して要求している。イスラエルを「ユダヤ人国家」と認めることは帰還権の放棄につながりかねない。

また、イスラエル領にとどまったパレスチナ人もおり、イスラエル人口の約2割をパレスチナ人などのアラブ系が占めている。「ユダヤ人国家」としての位置づけはこうしたアラブ系の神経を逆なでする。

イスラエル政府内では最近、イスラエルが「ユダヤ人国家」だとパレスチナ側に認めさせることを和平進展の前提にすべきだとの声が高まっていた。
イスラエルのメディアによると、パレスチナ側の反対で共同文書では「ユダヤ人国家」との表現は採用されなかったが、「ブッシュ大統領は代わりに演説の中でイスラエル側の意向をくんだ」との見方が出ている。
最終更新:11月28日10時58分