>>355 (つづき)
(中略)
しかも、もう一つ見過せないのが、「太平洋戦争犠牲者遺族会」なる団体は、金学順さんを
含む3人の元慰安婦たちの訴訟を起した原告であることだ。植村記者は、そこの幹部の義理の
息子にあたり、夫人もその団体で働いていた。「自分たちの訴訟を有利にするための記事では
なかったか」という疑いが囁かれるのもむべなるかな、なのである。
(中略)
しかし、驚くではないか。今日の大特集や二度の社説では、「女子挺身隊の名で連行した」
などとは一行も書いてない。二度にわたるスクープで世間を煽ったことなど、てっきり忘れて
しまっている。吉田清治氏の証言については、「疑問視する声が上った」と、今回は客観報道。
朝日が絶賛したことは無視。
そして、白眉は<「強制」の意味を軍や官憲による「強制連行」に限定する理由はない>と
突然豹変するくだりだろう。見事に、論旨をすり替え、<いかに元慰安婦の「人身の自由」が
侵害され、その尊厳が踏みにじられたか>が問題なのだ、と誰にも反論できない立派な議論
を展開するのだ。それはその通り、日本人だろうと朝鮮人だろうと、当時、娼婦や慰安婦に
なった女性たちが薄幸の身であったことは疑いようがないのだから。
そのうえ、朝日は、日本軍が直接やったかどうかにこだわるべきではない、とさえ仄めかして
いる。
朝日の広報室に聞く。
「従軍慰安婦問題は最初から明確な全体像が提示されていたという性格の問題ではありま
せん。政府の調査や学術研究、ジャーナリストの取材によって徐々に全体像が明らかになって
きたのが実情です。92年ごろまでは、挺身隊と従軍慰安婦が漠然と区別されないでいた時代
がありました。現在では、性格を異にすることは常識で、弊社は区別して報道しています」