ttp://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C03062.HTML 2006.11.26(その2)
森田実の言わねばならぬ[511]
『日本はなぜここまで壊れたのか――日本人が美徳をとり戻すための11章』(マークス寿子著、草思社)が教えること
「人間は天使でも獣でもない。天使のように振る舞おうと努める人が
獣のように振る舞ってしまうというのが、不幸なことに実情なのである」(パスカル)
--------------------------------------------------------------------------------
著者の「あとがき」の最後の言葉を引用する。 《かつて日本に存在した美しさや
品格を壊した責任の大部分は政治家や、経済・金融界や、役人にあるといってもいいのではないか。
新内閣がその事実の反省の上に立って、これからは美しい国をつくるのだという意気込みを見せない限り、
ああ、また、口先だけかと人々は絶望の溜息をつくのである。
今流行しているらしい武士道を言うならば、上に立つ人々が率先して行いを正してほしい。
そうすれば、ふつうの人も従っていくだろう(もし、まだ遅すぎなければ)。》
最後のカッコ内の言葉――(もし、まだ遅すぎなければ)――は、胸にこたえる言葉である。
本書は、日本が「壊れた」社会になった実態を、穏やかな表現で描き出している。
日本人が、日本を壊した政権(小泉・安倍自公連立政権、
それ以前の自民党政権)を支持しつづけるならば、日本を再生することは困難であろう。
本書を読んで、もはや残された手段は政権交代だけかもしれないということを、つくづく感じる。
政権交代は壊れた日本再建の第一歩にすぎないが、とにかく、政権交代だけしか、
日本を再生させる手段はなくなったことを強く感ずるのである。
2007年夏参院選における与野党逆転、その後の衆院選における政権交代ができれば、
再生への希望が生まれる。そしてそれ以外に方策がない…。小沢一郎代表と民主党への期待感がさらに強くなった。