>>416続き
盗作騒動も
さらにデスクが続ける。
「処分を下した時点では、会社としては、事件はせいぜい略式起訴の罰金で終わりと思っていたんです。
だから、中日新聞でも系列の東京新聞でも一切、記事にしなかった。それが、4月になって公判が開かれることが決まり、
上層部は大慌て。結局、9月に検察の求刑が出された時点で他紙に嗅ぎ付けられたので、慌てて記事にはした。
が、懲役10月、執行猶予3年の有罪判決が出た日の他紙は実名報道したのに、うちは匿名。
おかげで読者からは電話回線がパンクするほどの猛抗議がきました。目下、各紙とも
飲酒運転の大キャンペーンを展開してるのに、うちはできない。取材先でも厭味を言われますからね」
ちなみにこの田島記者には、今年6月、盗作騒動も持ち上がっている。
「彼が昨年3月から1年間、署名入りで書いていた連載記事に使われたイラストが、他社の書籍からの盗作だった。
実際に盗作したのはデザイン課の担当者ですが、記事執筆者に責任がないはずがない。
なのに、処分は上司だけ。それも父親のお陰と言われているんです」
もっとも、10月1日付でヒラの論説委員に降格された当の"エライ父親"は、こう弁明する。
「処分が軽いという声もあるかもしれないが、私は妥当と思っています。息子の左遷で文句を言いに行ったことはありません。
ただ、やはり心配なので、知り合いの社員に息子の様子を聞きにいっただけです」
心配ならば、自戒も込めて、自ら飲酒運転撲滅キャンペーンの筆をとってこそ、
不肖の息子の範となるのではないか。