「戦利品としての女性」
今年1月に、ドイツで「Frauen als Beute -Wehrmacht und Prostitution(戦利品としての
女性・ドイツ国防軍と売春)」というドキュメンタリーが放送されました。これはタイトル通り、
第二次大戦中のドイツ国防軍における従軍慰安婦を取り扱った番組なのですが、慰安婦
騒動に巻き込まれている日本人の目から見て、いろいろな意味で興味深い番組でした。
<独語による番組紹介>
http://www.wdr.de/tv/dokumentation/frauen_als_beute.html 番組によれば、ドイツ軍が軍の管理による慰安婦制度を始めたのは、パリ占領後の
1940年で、フランスの売春宿を利用した兵士の間に性病が蔓延したからだといいます。
性病にかかると治療に半年ほどかかるので、戦争継続中のドイツ軍にとって、戦力低下を
招く深刻な問題です。そこでまずフランス人の売春婦を軍の厳格な監視下に置き、
官製の慰安所を設立しました。
そして1941年6月に対ソ戦が始まると、急速に拡大する戦線に慰安婦を送るため、
ドイツ軍は本格的に慰安婦狩りを開始します。ポーランドやウクライナの女学校の生徒を
騙して連れていったり、強制収容所でも、美人の女性を選んで慰安婦に仕立てました。
当時のドイツには人種法があり、ユダヤ人やポーランド人などの「劣等人種」とアーリア人の
性交は禁じられていたのですが、慰安婦は「モノ」だということで、その範疇外におかれたと
いうことです・・・。 (つづく)
>>72 (つづき)
この番組で最も興味深いのは、その作り方です。何しろ元慰安婦と名乗る生き証人は
ほとんど登場しません。何故かというと、ドイツ軍の敗退後に、慰安婦たちは裏切り者扱い
されてリンチ、告発されて殺されたからで、それを逃れた人たちは、ひっそりと過去に口を
つぐんで生きてきたからだといいます。
ではどうして慰安婦の存在を証明できるのかというと、書類です。この番組には本当に
たくさんの報告書や指令文書が出てきて、そこに慰安所の運営状況や「慰安婦はモノ
なので人種法に抵触しない」などの指示がはっきりと書いてあるのです。
元慰安婦のおばあさんはたくさんいるのに、軍の関与を証明する書類がまったく出て
こない日本と逆の状況なのです。
またドイツ叩きか!
くるくる証言が変わる自称元慰安婦の言葉と、軍の書類のどちらが証拠としての価値が
高いかは明らかです。ドイツには確かに従軍慰安婦はいました。しかし、このことはドイツ
ではほとんど注目されていません。関連書籍もほとんどありません。
残念ながらソースは失ってしまいましたが、番組放送後に見た掲示板では、
「またドイツ叩きか!」とか「もううんざりだ」というコメントばかりでした。というより、
このネタに食いついてくる人自体が少なくて、まるで盛り上がっていませんでした。
ホロコーストの巨悪に比べれば、数万人程度の慰安婦などものの数ではないといった
雰囲気です。ドイツの侵略により、最大で7千万人が死んだといわれるロシアの
プーチン大統領が「私の兄もドイツ軍に殺されましたが、不思議とドイツに恨みはないん
です」などと公言するほどですから、それも仕方ないかもしれません。(つづく)