やっちゃった!今日の朝日のドキュン記事 その70

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262文責・名無しさん
7/22夕刊
「窓・論説委員室から」
親にも申すまじく

宮内庁の組織を二つに分けることがある。儀式や管理、官邸との連絡部門などは「オモテ」、
天皇ご一家の世話をする侍従職は「オク」と呼ぶ習わしだ。
「オク」は天皇といつも接しているが、天皇といつも接しているが、「オモテ」はトップの長官でも天皇の
「お召し」がなければ会うことはない。
昭和の末期に宮内庁を担当したが、長官に「お召し」があったかどうかを調べるのが日課だった。
あれば、天皇のご様子や、どんな話を交わしたかを聞くため、夜には長官の公邸を訪ねた。
当時の宮内庁長官は富田朝彦氏である。取材にはいつも応じてくれたが、天皇との話の内容には
固く口を閉ざした。
「宮中のことは親にも申すまじく候。昔はそう言われたものだ」と繰り返した。
富田氏の退官後も何度か自宅にうかがい、その度に「昭和天皇のお話はメモを取っているのですか」
と質問した。メモの存在は認めたが、「私が死んだら一緒に焼いてもらうつもりだ」と語っていた。
記者を煙に巻くためか、本気でそう思っていたのか。本心はつかめなかった。
富田氏の死去から3年近くたつ。そのメモをもとに、日本経済新聞は昭和天皇の発言をスクープした。
メモを焼かなかったんだ。記事を見て真っ先に思ったのは、そのことだった。
宮内庁は、側近の証言や資料をもとに昭和天皇の記録を編纂中といわれる。
富田氏のメモは正確な事実を後世に残すうえで貴重な資料となるだろう。<清水建宇>