2006年6月5日 上毛新聞「ひろば」
世界に27の非武装国家 須藤 叔彦(前橋市・76)
軍隊を持たない国として、コスタリカは世界で有名です。
これまでもしばしば報道されているので、多くの人が知っていると思います。
ところが、私は最近、世界には二十七の「非武装国家」があるのを知って驚きました。
『法と民主主義二〇〇五年六月号』に、東京造形大学の前田朗さんが「世界の非武装国家」
と題して書いています。それによると、欧米ではルクセンブルグ、サンマリノ、モナコ、バチカン、アイスランド、
中央アメリカのドミニカ、グレナダ、パナマ、インド洋のモルディブ、モーリシャス、
太平洋のパラオ、ソロモン諸島、サモアなどです。
私たちが名も知らない小国が多いけれど、結構有名な国もあって、いまさらながら自分の不明を恥じています。
モナコ、バチカン、ルクセンブルグなどは第二次世界大戦前からの非武装国家で、
アイスランドなどは大戦中、非武装中立で国を守っていたようです。
これらの国々は一部の例外を除いて、いずれも民主主義国家で、女性の権利が保障され、
教育水準が高く、平和の文化が意識されていると指摘されています。軍隊を保有していないので軍事費を
国民の福祉、教育費に充当できるのです。いまや「平和憲法」は名ばかりで、
世界有数の軍事大国になろうとしているわが国は、そうした国々を範とすべきだと、被爆者の私は痛感しました。