● ウヨ坊の組織書き込みについて 2●

このエントリーをはてなブックマークに追加
96文責・名無しさん
ピーク過ぎたネット右翼  朝日新聞 2006年5月19日

 「若者の右傾化」を象徴する存在として近年、「ネット右翼」が注目されている。
ネット上で、中国・韓国をけなしたり「左翼メディア」をちゃかしたりする人々だ。
 彼らは、北朝鮮や韓国、中国が日本の戦争責任を指摘するたびに猛反発し、
朝日新聞などの「弱腰」で「進歩的な言説」を馬鹿にし合う。
 確かに彼らは、愛国心に燃える右翼集団に見えなくもない。だが本質は、右翼
というよりは「左翼嫌い」だ。より正確に言えば、「マスコミに流通する言葉が優等
生的な言説ばかりであることにいらだっている」集団である。

 だから彼らが国家主義を目指していると考えると、認識を誤る。彼らの多くは
メディアの言説が「左」に傾き過ぎていると感じ、バランスを取ろうと考えているのだ。
 ネット右翼が台頭したきっかけは日韓共催のサッカーW杯(02年)だ。「韓国人に
日本がどう見られているか」に関する情報が大量に流入し、日本が批判されている
と知った人々の中から「日本のメディアは韓国に甘い」との反感が噴き出した。
 とはいえネット右翼現象は、すでに沈静化に向かい始めたように見える。おそらく、
「韓流ブーム」のアンチとして昨年出版された「マンガ嫌韓流」のブームあたりがピーク
だったのだろう。

 彼らが活動から降り始めた理由の一つは、「日本が右に傾き過ぎた」との意識が
生まれたためだろう。彼らの多くは、そもそも右傾化を目指していたのではないからだ。
 また彼らは既存の政治運動を嫌い、ネットという新メディアで「草の根」活動をしようとした。
だから実際にビラまきなどの具体的な政治運動に触れると、違和感を覚える。
現実に近づくほど、バランスを取るという動機とのギャップが見えてくるのだ。
 ネット右翼的な現象が今後、強力な国家主義運動に発展する可能性は小さいのだが、
だからといってこの現象が無害だとも思えない。