産経抄ファンクラブ第62集

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141文責・名無しさん
平成18(2006)年5月14日[日]
 きょう十四日で東京・万世橋の交通博物館が七十年の歴史に幕を閉じる。鉄道愛好家にとっての
「聖地」が消えるとあって、きのうも雨の中、大勢の子供連れに交じって、かつての鉄道少年たちが
入場券を買う長い列におとなしく並んでいた。
 ▼入り口に近い鉄道模型の運転場には二重、三重に人垣ができ、近づけないほど。新奇な見せ
物とは無縁の博物館が惜しまれて引退するのはある意味、幸福なことだ。来年、さいたま市で新た
なスタートを切る鉄道博物館も万世橋の良き伝統を引き継いでほしい。
 ▼鉄道とはおかしなものでヒトやモノを大量に輸送する機関に過ぎないのに、子供たちは目を輝
かせ、大人はロマンを感じる。それは、鉄道が経済の道具だけでなく、文化でもあるからではないか。
 ▼百一年の歴史を持つ阪神電鉄もまた、「阪神文化」を生み出してきた。それがダメ虎時代が長
かったタイガースであったり、大阪・梅田の百貨店地下で売っているイカ焼きだったりするのだが、
上品なイメージの「阪急文化」と違うのがまたいい。
 ▼だが、阪神電鉄株の半数近くを買い占めた村上ファンドを率いる村上世彰氏に「阪神文化」への
愛着はあるのだろうか。灘中、高時代には何度も乗っているはずだが、関心があるのは阪神が持つ
梅田の一等地のようで、タイガースのファンや選手をいらだたせているところをみると、どうも薄いよう
に感じる。
 ▼その村上ファンドの動きが急だ。拠点を六本木ヒルズからシンガポールに移し、同ファンドに出資
していたオリックスが提携を解消するという。狭い日本を飛び出して世界を相手にカネ儲(もう)けをし
ようという心意気やよし。それに比べればちっちゃい阪神からはこの際、手を引かれてはいかがかな。

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交通博物館は先日行ったけど、国鉄民営化で時が止まってしまったような印象を受けた。それまで民鉄を
ほとんど取り扱ってこなかったツケが来たという感じがする。
でもってそこから村上ファンドですか。「心意気やよし」と褒めてていいんですか。これで村上ファンドは
外資になってしまったわけだけど、それはつまり、外資が日本を乗っ取るという構図に新しくメンバーが
加わったということになるわけですよ?