やっちゃった!今日の朝日のドキュン記事 その69

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721文責・名無しさん
>720
4/10夕刊
連続インタビュー「歴史認識」  中国編@/王 智新さん(宮崎公立大教授)

<リード部分>
歴史認識をめぐり隣国との関係がきしんでいる。不信や憎しみが連鎖的に拡大しているようにも
見える。歴史認識のどこが、なぜ違うのだろう……。もつれた論理や感情をほぐし、新たな関係を
築くための糸口を求めて、様々な人の声を聞いてみたい。まずは中国の視点から。(渡辺延志)

東アジアの近現代史を、「日中韓3国共通歴史教材委員会」がまとめた『未来をひらく歴史』は昨年
5月、三つの言語で出版された。日本で7万部(高文研から刊行)、韓国では4万部の発行。この種
の硬い本としては、ベストセラーだ。中国は海賊版が多いことで知られるが、正規版は5回増刷し、
11万部が出た。
中国側委員として、02年の開始時から編集に参加してきた。
「戦争をどう描くかなどをめぐっては激しい議論もあった。だが、いがみあわなくていい歴史像を、
どの国でも待ち望んでいる人の多いことがよく分かったのではないか」と総括する。
教育学者の立場から東アジアの相互理解を深めたいと「東アジア教育文化学会」を組織し、代表
を務める。日中韓3国の持ち回りで、歴史認識を主要課題にシンポを開いてきたが、「違いの大きさ
を実感している」という。例えば「平和」。日本では平和憲法とも、平和維持軍とも使うが、中国では
「大同」、つまり飢える人のいない平等社会、衣食足りた先にある礼節と似た意味だという。
「武力による平和はありえないのです」
≪つづく≫
722文責・名無しさん:2006/04/10(月) 19:33:41 ID:eN8urnUP
>>721つづき

日本と中国の違いは、長年の日本での生活で痛感してきた。来日したばかりの20年ほど前には、
「どうしてもぬぐえない違和感があった」という。
あの悲惨な戦争は日本の一部の軍国主義者の仕業であり、戦争に駆り出された兵士たちを含め、
大多数の日本人は中国人民と同じ被害者だと教えられてきた。だが、その「共通の被害者」が目を
こらしても日本で見つからなかったというのだ。
ふらりと出かけた東京・上野公園は桜が満開だった。軍歌を歌う花見の一団がいた。しばらく聞いて
いると、中国を転戦した戦友会とわかった。語られているのは、戦争での思い出や自慢話。
「ショックだった。同じ被害者とは思えなかった」
交流が進み垣根が低くなり、隣の国の実情が見えるようになってきた。教えられてきた戦争像は実態
が違うようだ……。
かつて自分の体験した違和感を多くの中国人が抱くようになった、と考えている。
日中の国交が回復した72年に大学に入った。共産党の支持で日本語を先攻したが、祖母が強く反対。
党幹部が家まで来て説得した。祖母のように実際に戦争を体験した中国人の日本観を乗り越えるため
に「共通の被害者」という考えが必要だったとしても、「お互いに考えていることをぶつけあい、ありのまま
の日本人、ありのままの中国人を認識することをしなかったのでは」と振り返る。
日本と中国の戦争をめぐる記憶の違いは保守的な人だけではないと指摘する。「教え子を再び戦場に
送るな」をスローガンにした日本の教師たちの活動を例に挙げ、「問題なのは戦場に送ったことであり、
送った教え子たちが戦場で何をしたか、を問うことはなかったのでは」と疑問を提起する。
≪つづく≫
723文責・名無しさん:2006/04/10(月) 20:20:50 ID:eN8urnUP
>>722つづき

抗日戦争勝利60周年の昨年、中国では戦争にまつわる多くの本が出版された。日本軍・日本兵の残虐さ、
冷酷さを強調するものが目立つ。史実とフィクションの境が不明確で、表現のリアルさが特徴だ、と分析する。
日本との戦争が共産党の勝利や誇りの歴史として描かれてきたのが一変した。戦争を具体的に知らない
世代の間でも、60周年を契機に「日本との間でけりがついていない」という記憶が掘り起こされた、と見る。
現状を打開するには、どうしたらいいのか。
「きちんとしたステップが必要でしょう。まず言葉を濁さずに日本が明確に謝る。日本は何度も誤ったというが、
中国ではいっこうに謝ってくれないと感じているのだから、一度きちんと心からおわびすればいい」
誠実、勤勉、法律を守る、慈悲深い、といった日本人のイメージも壊れてきていると指摘する。とはいえ、
「反日」というほど確固なものではなく、「嫌日」の感情だと見る。日常生活は日本製品に取り巻かれ、
その品質の高さにあこがれている。それなのに「何で日本は……」という嫌悪感が、靖国や教科書問題を
きっかけに顕在化しているという分析だ。
「互いに付き合ってどう気持ちよくやっていくのか。まずは崩壊してしまった信頼関係を、どのように築き直す
のかを考えることではありませんか」

王智新(ワン・ツーシン) 52年生まれ。専攻は教育学、教育思想史。上海外語大卒。85年に来日、
東京大大学院などで学んだ。日本語での著作に『近代中日教育思想の比較研究』『現代中国の教育』など。
≪おわり≫

>>722 本文10行目、行頭の「が」は「とは」の誤りでした。訂正します。他にもあったらすまそ。