☆朝夕の娯楽★天声人語&素粒子。42(死に)至る病★

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150文責・名無しさん
【天声人語】2006年01月22日(日曜日)付

 きのうが初日の大学入試センター試験では、遅刻を心配した受験生が多かったことだろう。雪
で朝の交通がかなり乱れた。今年の高校3年生はゆとり教育を受けた最初の学年だが、会場に駆
けこむ姿にはゆとりも何もあろうはずがない。

 受験生の遅刻といえば、去年、列車を乗り違えた生徒を助けるため、東北新幹線が通過駅の宇
都宮に止まった。JRには賛否の声が寄せられた。8割は「心温まる話」と好意的だった。残り
は「甘すぎる」「不公平だ」

 京都市では一昨年、茨城県から来た受験生が会場をまちがえ、涙ながらに交番へ駆け込んだ。
見かねた警官がパトカーに乗せ、サイレンを鳴らして約20キロ先まで急送する。700件を超
す反響が京都府警に届いた。やはり8対2で賛成が多かった。

 韓国ならこんな論争は起きない。入試の日には受験生を遅刻させまいという熱気に包まれるか
らだ。韓国事情に詳しい静岡県立大助教授の小針進さんによると、日本以上の学歴社会で、出身
大学が一生を左右してしまう。「だから試験日には、官民挙げて生徒を助けようと張り切ります」

 なかでも「修能」と呼ばれる統一試験が大変な騒ぎだという。遅刻者に備えてパトカーや救急

車が駅前に待機する。離島の生徒を運ぶのは軍用ヘリだ。通勤ラッシュに巻き込まないよう、大人たちは出勤時間をずらす。

 センター試験は、その前身の共通1次試験のころから、よく寒波に見舞われる。風邪もつらい
し、雪による遅刻もこわい。もう少し春近い時分まで、試験日を移せないものだろうか。
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受験生のために通常業務を曲げたJRや警官、韓国お受験事情。その結論が「もう少し春近い時分
まで、試験日を移せないものだろうか」ってのは、思いつきもいいとこだな。
筆運びはいいかんじだけど、それだけのコラム。