やっちゃった!今日の朝日のドキュン記事 その66

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980文責・名無しさん
12/24「私の視点ウィークエンド」(上)
◆靖国問題 亡き胡耀邦の憂い、顧みる  中江要介(元駐中国大使)

去る11月20日は中国の胡耀邦・元共産党総書記の生誕90周年であった。胡氏は80年代に改革開放路線
を進め、保守派の攻撃で失脚したが、いま中国では、胡氏の時代の先見性が改めて評価されている。
私の中国在勤の前半(1984〜85年)は中曽根首相・胡総書記の黄金時代で、「2千年の歴史で最良の状態」
と言われていた。
84年の国慶節には、日本から3千人の若者が「招待」された。これは「子々孫々の友好」のためには次世代、
次々世代の両国人民の交流が肝要と考える胡氏が自ら発案・実行したものであった。

翌85年、胡氏の期待を裏切って、中曽根首相の靖国参拝公式参拝が行われ、日中関係が悪化し始めた。
憂慮した胡氏は、有名な「日中友好関係発展についての四つの意見」を発表した。
@日中友好は両国人民の長期的・根本的利益と、アジア及び世界の平和と安全の擁護にかかわる大事である
A両国政府と人民は、両国が厳しく対立した歴史に正しく対処しなければならない
B長期的友好のためにはたゆみない努力が必要である
C日中友好の最高の目標は子々孫々の友好の実現である。

戦後60年。今年は「靖国問題」がクローズアップされた年でもあった。小泉首相は「私は日中友好論者です」と
繰り返すが、それで日中関係が良くなると考える人はほとんどいないだろう。
3千人の若者の招待など、胡氏はその時その時の日中関係の実情に即して具体的提案を発想、実行するなど、
言動が極めて分かりやすい。ある日、北京・中南海の迎賓館に食事に招かれた。ナイフとフォークのほかに
はしと刺身が並べられていた。その刺し身をフォークで刺し、右手にかざしながら熱弁をふるっていた胡氏の
姿はまさに天衣無縫という感じであった。
981文責・名無しさん:2005/12/24(土) 21:02:48 ID:lerEQGLy
>>980つづき
12/24「私の視点ウィークエンド」(下)
◆靖国問題 亡き胡耀邦の憂い、顧みる  中江要介(元駐中国大使)

中曽根氏が靖国参拝した85年の12月、このような食事の席で、胡氏は率直に語った。
「靖国問題は両国民の頭の中に登場してから40年しかたっていない。消え去るにはさらに時間が必要だ。
八ヵ国干渉(義和団事件のこと)も85年たった最近、やっと人々の関心から薄れていっている」
「今度再び参拝が行われたら大変なことになる。靖国神社には戦犯が2千人もまつられており、
とても中国人を納得させることはできない」
「A級戦犯のみをとり除いただけでも世界の見方は大きく変わるだろう」「自分が恐れていることは、
この問題に乗じて日中離間を策する第三国がいることだ。だから早く問題を解決する必要がある」

こうした言動に対して、首相が5回も執拗に参拝を繰り返す日本側で散見される議論はどうだろう。
「心ならずも戦場に駆り出された人たちの死を弔って何が悪い、不戦を誓って何が悪い」
「東京裁判は認められない。A級戦犯はすでに処刑されて、今や、仏さま≠セ」
「心の問題、精神の自由の問題だ」「話せば分かる」

しかし、A級戦犯は戦場に「駆り出した」方で、「駆り出された人たち」ではない。心の問題というなら、
黙って心の中にしまっておけばよい。あの戦争の被害者、犠牲者からみれば、すべて言い逃れとしか
受け取られず、戦争責任を故意に回避しているとの批判をまぬがれ得まい。
胡耀邦氏は地下で嘆いていることだろう。「だから私は言ったではないか。『歴史に正しく対処すべし』と」