2006年7月12日(水曜日)
トップニュースの北朝鮮ミサイル発射問題の外交の話を中国に焦点をあてて。
その後、ゲストの小沢一郎を紹介する。
以下、小沢一郎、古舘伊知郎、加藤千洋のスタジオでの会話のやりとり概要メモ。
小沢
「日本が望んでいた方向と少しずれてきて、“やや”中国より(「やや」を非常に強調する言い方)。
中国より北朝鮮よりというよりも、アメリカが何を望んでいるかというと、
六者協議に戻したい。〜であればいい。
中国の工作を見ている外交手段を見てみよう」。
古舘
「日本外交について〜」。
小沢
「なにか予行演習やってるかのごとく、日の丸を背負ってやや意気込んだことをやった。
今度のアメリカがちょっと待てと。中国(の北朝鮮への働きかけ)を見守ること。
最初からなんとなく、そういうことになるという感情を持っていた。
アメリカが本気になって中国、北朝鮮に喧嘩腰にやるということは更々ない。
ですから、政府でありませんからことの真実は分かりませんが、
日本が強い正妻の決議の矢面に立たされて、ちゅうか立って、
そのほかの国も含めてちゃんと中国と北朝鮮との話し合いを、
冷静に最初から見ているということじゃないですかね。
制裁というのは問題解決のための1つの手段。制裁のための制裁は〜(駄目)」。
古舘
「ミサイル発射を知った直後のブ・ダイイさんと会談された。
そのときの様子は?」
小沢
「ブ・ダイイさんは前からいろいろ話をしてやってきていると言っていました。
ですから、そういう意味では中国としても、そういうやり方はあまりプラスにならないという考えを
持っていたんではないか、今も(持っているのではないか)。
ともかく、北朝鮮は米朝の直接会談をやりたがっている。北朝鮮は六者協議という形をとって
その中で米朝の話し合いを、事実上の二国間の話し合いを考えている」。
古舘
「それで言うとどうなんでしょうかね?
中国は時間稼ぎの意味合いもあってピョンヤンに言っているのではないかと」。
加藤
「(先延ばしされた)15日といえばロシアのサミット。
そこまで懸命に時間稼ぎになりますよ。
両面作戦。
日本に有利になるか、自分たち(中国)に有利になるか」
小沢
「中国も北朝鮮の動きには困っている」。
古舘
「感情的には困っているでしょう。しかしながら……」。
小沢
「(北朝鮮は)自分(中国)の属国でもないし、関係は深いですけど、力の差は歴然としてますけど、
一生懸命説得をしているというのが、今じゃないでしょうか」。
加藤
「説得であっても六者協議でも二者協議でも〜」。
古舘
「〜言葉上の戦争をしないと、そんな中で、さあどうする?」
小沢
「日本がこの件で孤立するということがあってはならないですよね?」
小沢
「日本は、(わたくし小沢は)前から言っているけど、
北朝鮮から相手にされてないし、日中も不仲な関係ですし、
日米は本当の意味で信頼関係の中にあるかというと今度の決議案でもいろいろ言われている(笑)。
さっきの話でもはしごはなされたんじゃないかと(笑)。
きちんと話し合いがされてないんじゃないかと」。
古舘
「蜜月というのは1対1の(物を言い合える関係)。
本当に1対1かという幻想を持ってはいけないかという話」。
小沢
「本当の意味で中国もアメリカも日本を信頼していない、相手にしていない。一番深刻。
日中がよくなくても、日米が良けりゃいいというのが小泉総理の姿勢だが、
日米同盟と言われるような関係かというと、私はそうじゃないと思う。
日米中というまとまりがあるけど、よく三角形……、正三角形でも二等辺三角形でもいいけど、
三角形をなしていないというのが問題。
米中の関係はあるが、日中は形の上でおかしくなっている、
日米も本当の意味で信頼関係に結ばれているかというとそうじゃない」。
古舘
「(ただ今の)小沢さんの理論、日米中。
小沢さんは政権を握っていないが、もし小沢さんが政権を握っていたら、
今、問題山積の中で具体的にどっからどうする?」
小沢
「要は、さっき言ったように、
ロケット(注:小沢氏は北朝鮮の発射したミサイルを「ロケット」と発言)は、
日中の問題じゃなくて、北朝鮮の政治体制の問題。
少しでも民主化した体制に持っていくのを、最大の日本の目標にしなければならない。
日中関係、中国との連携というのは欠かすことができない。
中国には中国の思惑があるアメリカにもある、しかし、日本はそういう中にあっても、
日米、日中本当の信頼関係の中で北朝鮮をソフトランディングさせなければいけない。
北朝鮮が暴発するということがあるようであれば、それはきちんとした態度をとっていかなければいけない。
しかし、そういう状況ではない」。
古舘
「そうしますと、小沢さんは田中(角栄)さんの秘蔵っ子。中国にも顔がある。
政権を取っていない。野党、与党の境目。日本は厳しい状況に追い込まれているのだから、
今の政権に手を差し伸べては?」
小沢
「政権がその責任でやらなくてはいけないのであって、
考え方も小泉政権と違いますから、
日米関係も本当の信頼関係になってないというのが私の指摘、主張ですから。
問題は日本自身が自分の考えがないから。
しっぽ振って付いてれば日米同盟、日米信頼関係ができているからという
小泉総理の考え方が間違っていると、私は思います」。
古舘
「グランドデザインがしっかりできていないというのが政治不振。
何らかの手の貸し方。(小沢さんは)官邸と頻繁に連絡を取る。
一方でイスラエル、パレスチナも大事
(注:今日、小泉総理はイスラエルに訪問中。オルメルト首相との首脳会談のために。
明日はパレスチナを訪問し、パレスチナ暫定自治政府のアッバス議長と首脳会談予定。
さらにはヨルダンも訪問する予定)。
大変なとき〜」。
小沢
「大変なときですけどね。
大きな問題があると挙国一致という話があるが、私はおかしいと思う。
今の政権がその責任を果たすべき。できないのであれば、やらないべき。
アメリカの安泰なんだ安心なんだと一方的に言っている、今も言っている」。
古舘
「〜(実際はどうか?)」。
小沢
「だけどぜんぜん違いますよね」。
古舘
「違います」。
小沢
「日本のあり方がまったくない。まったく間違えているという事と思います」。
古舘
「〜(話は変わって小泉総理の靖国参拝の問題ですが、どうお考えに?)」。
小沢
「靖国に参拝する可能性は高くなっている」。
古舘
「心配ですね」。
小沢
「中国はそれ(靖国神社への参拝を)やられれば、ますます譲歩できないという話になる。
小泉さんはたった一つのことで駄目になるのかと言っているが、
たった一つじゃない。背景にはいろいろな戦争に対する認識とか基本の〜が含まれているから、
(私がこう靖国神社に批判的な発言を繰り返すのは)中国がいろいろ言うからじゃないですよ、
私は、200数十万人の同胞を殺して明治以来のすべてを失ったんですから、
戦争を主導した人たちは大きな大きな、まずは日本人に対して(責任が)ある。
靖国神社は戦争をした人たちを祭る。戦争をした人たちが祭られるもんじゃない」。
古舘
「そのうち分祀論の話も。
ありがとうございました」。
小沢
「ありがとうございました」。
そして、今日のスポーツニュースの後の特集は、
困窮の北朝鮮人民のレポートでした。
要するに、お決まりの、
北朝鮮が何か問題を起こすと、テレビ朝日が北朝鮮の悲惨な映像を放映する
特集でした。