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文責・名無しさん:
そのひとつがこれです。10月28日オピニオン「三者三論」
天皇制そのもの議論を 加納実紀代氏(敬和学園大学特任教授)
(前略)女性天皇が認められれば天皇制に何の問題もないかといえば、けっしてそうではない。
私は、「階級」「民族」「ジェンダー(性)」の三つの視点からとらえている。
「民族」で言えば、天皇は「日本国民」の「統合の象徴」とされている。逆に言えば、
非「日本国民」の排除という排外主義をはらんでいる。また「階級」の視点では、天皇制は
生まれながらの貴賎や階級秩序を生み出す根源であり、人間平等の理念に反する。
これらは女性天皇が可能になっても変わらない。
「ジェンダー」からも問題がある。女性・女系天皇が認められても天皇制は「世襲」であり、
血統に権威の根拠を置く。そうであるかぎり皇室の女性には子供を生むことが強制される。
産まない自由はない。女性天皇を認めれば、「何がなんでも男の子を」というよりはプレッシャーは
減るだろうが、産まなくてはならないことには変わりはない。
子供を産むか産まないか、いつ何人産むかを女性自身が決められることをリプロダクティブ・ライツ
(性と生殖における自己決定権)といい、いまや女性の人権の柱だ。天皇制はそれをあらかじめ
奪うようなシステムであり、21世紀の人権感覚になじまない。(略)
こうした状況において世襲家族を国の「象徴」としてあおぎ続けることには、そもそも無理がある。
世論調査などでは8〜9割が天皇制を認めているというが、若い世代は無関心だし、皇室の人々を
自由がなくて「かわいそう」とみる国民は確実に増えている。いまや天皇制存続のために女性天皇を
容認するよりも、天皇制存続の是非を議論すべきではないだろうか。(聞き手・伊藤宏)