>>219 これのことかな?
7月24日 朝日新聞「声」
「蔵書の廃棄はプロのおごり」
私塾経営 小林 良行 (長野県信州新町 48歳)
千葉県船橋市の図書館の司書が独断で蔵書を処分した事件について、「図書館の本を廃棄した心は」という、司書の真意に迫ろうとする投稿(18日)があった。
投稿者も司書の行為は違反と認めた上で、これまでの司書の取り組みを評価し、子どもと良書に対する熱い思いが、そうさせたのではないかと想像している。
私も、その司書にはおそらく「子どもたちによい本を」という強い信念があったのだと考える。その信念の強さが、悪書は廃棄すべきだという極端な結論を導いたのではないか。
しかし、これは司書の傲慢である。そもそも、なにをもって良書とするかは人によって異なるはずであろ。当然彼女もわかっていたと思うが、どこかに「専門家である自分の判断に間違いはない」という気持ちがあったのではないか。
プロとしての経験が長くなるほど、人にはおごりが出てくる。私は教育の仕事に携わっている。「子どもたちのため」という題目のもとに、自分で自分の思想や理論に酔って傲慢になっていないか、常に振り返って自戒したいと思った。