中日新聞・東京新聞こそ電波!! その21

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梅原猛氏に反論する 石原慎太郎

 私の部下副知事の議会における問責決議に関しての、梅原猛氏の批判(13日付「思うままに/政治家と文学者の間」)
に敢えて反駁したいと思う。梅原氏は日本におけるプロミネントな文学者の一人とされているようだが、
その政治の本質と、テニヲハに関する浅薄な認識にいささか危うさを感じるが故に、政治家でもある物書きとして、
私自身の人生の問題としても一言申し上げておきたい。
 基本的に梅原氏は人間の多様性について信じておられぬ痩せたお人のようで、「政治」という人間の関わりにおける
方法の普遍性についても気づいていないようだ。特に文学と政治は方法としてのその拠り所が多く言葉にあるために、
氏がいっているように質的に互いにかけ離れたものでは決してありはしない。政治家も作家も共に口舌の徒である。
彼等が操る言語のどこを、何をもって、高級とするかは人の勝手だが、政治家の発想や言葉が文学以上に人間を
鼓舞し救うということも優に有り得る。それに、氏が書いているように私は書きかけの小説を犠牲にして都知事になった
訳ではなく、書き始めていた恋愛小説は時間はかかったが完成しつつあり、近々その一部を発表もするが、
氏が誰からか側聞し「一理ある」と懸念してくれているように、別に小説を書けなくなって議員や知事の間を
いったりきたりした訳でもない。私の仕事の内容も知らずに余計な詮索は僭越である。
912(2/3):2005/06/22(水) 22:03:43 ID:OAbUflba
 梅原氏の政治に関する基本的認識の誤りの一つを指摘しておくが、知事はかつて氏が務めていた文部省の何やらの
準備室長とかいう「役人」では決してない。あくまで厳しい選挙で選ばれた、都民に代わって役人を使う特別職である。
その責任は毎日役所にいって座ることだけでは十全に果たし得ない。氏によれば「役人のもっとも重要な仕事は
まず毎日官庁に出勤すること」だそうだが、役所に毎日座っているだけでは中小企業救済のためのCLO(ローン担保証券)、
CBO(社債担保証券)といった全く新しい債券市場の創設も出来はしないし、都民を救う排気ガス規制も治安の回復も、
空港の拡張や基地の奪還も出来はしない。
 今日の日本の政治、特に国政の停滞の最大の原因は、氏のように妙な形で役人を信奉する輩が、役人の決めた
権威的ルーティンに埋没してしまい、その能率を欠いてしまったところにある。私は知事として彼等の仕事をしたふりの
書類を山積してみせるアリバイに付き合う暇もないし、つもりもない。氏が自負しているように「準備室に毎日朝九時から
五時まで一日も休まず出勤した」ことで何に画期的な効果がもたらされたかは定かでないが、要するに氏もまた役人たちに、
飾り物として旨く使われただけのことだろう。
 それに氏はかつて京都の知事に立候補を薦められ、「にべもなくお断りした」そうだが、その選択が、断ったが故に
高尚なものでもありはしないし、案外京都の府民のためには幸せだったかも知れない。要は使命感の問題だろう。
913(3/3):2005/06/22(水) 22:04:06 ID:yt4N6A8K
 断っておくが、私の作家としての想像力は都庁にあることで画期的な刺激を受けてきたし、私の物書きとしての
想像力はいささかは都政に役立ち、新しい試みを確かに成就してきたと自負している。氏がいわれる通り「文学も政治も
一人の人間が全情熱を傾けてあたらねばならない重要な仕事である」。何をもってか「人気とりと思われる派手な
パフォーマンスをすることをやめて」といわれるが、都民は氏のいうようにただのパフォーマンスだけに喝采するほど単純幼稚
ではないし、日本の頭脳部心臓部である東京の抱えている問題は氏が思っているほどのんびりしたものでは決してない。
 ハイエナに似た大方のメディアの、浅薄な報道の尻馬に乗っての居丈高なお説教は日本のインテリの限界を示していて、
もの悲しい。