32 :
文責・名無しさん:
朝日新聞の連合赤軍あさま山荘事件での「捏造」と「盗聴」
佐々淳行著『連合赤軍「あさま山荘」事件』 文春文庫には、
「A社」が人質となった牟田泰子さんの病室に盗聴器をしかけて、
医者の問診や警察の事情聴取の内容を「スクープ」し、
盗聴が発覚すると、公安担当記者を総動員して
必死にもみ消しをはかったとだけしか書かれていなかったが、
本書では「A社」を朝日新聞と実名を出し、「スクープ」された問診の内容を引用した上で、
内容に政治的歪曲があった 可能性にまで踏みこんでいる。
泰子は、その他にも二十九日付の『朝日新聞』の記事にはおかしな箇所がある、と指摘する。
記事の中に「ききょうの間」に閉じこめられていたと述べた部分があるが、
浅間山荘には「ききょうの間」という部屋は存在しないのだ。
また、食事は毎回彼らが作って運んでくれたように書かれているが、
食べたのはごった煮風の食事一回だけで、後はコーラを飲んでいたこと。
夫の差し入れも知らないし、果物籠も見ていない。
バナナは確かに食べたが、その他の果物は食べてはいないのだから
「おいしかった」と言うわけがない。
まして、犯人に大切にされたなどとはひと言も言っていないし、
全体としていかにもやさしくされたような表現には作為的なものを感じたとさえ言い切った。
牟田さんは記者会見でトイレ以外、ベッドルームから出られなかったこと、
トイレにいくのもロープで縛られたままだったことを話すが、
朝日新聞だけはベタ記事のあつかいだった。
朝日新聞は愚かな読者を正しい思想に善導するためには、
少々の嘘はかまわないとする傾向があり、
過去に多くの「誤報」事件を起してきたが、「スクープ」の背景に、
赤軍派に対する同情的な世論を誘導しようという意図があった可能性は否定しきれないだろう。
あの「スクープ」がきっかけとなって、牟田さんバッシングがはじまったことを考えると、
報道による犯罪だった疑いが濃いのである。
久能靖 『浅間山荘事件の真実』 河出文庫