Newsweek日本版

このエントリーをはてなブックマークに追加
478文責・名無しさん
【緯度経度】ワシントン・古森義久 ハーバード大学の「政治偏向」
[産経新聞 2004年11月06日 東京朝刊]

ハーバード大学中東言語文明学部のルース・ワイズ教授は自他ともに認める
保守派のブッシュ支持者である。フセイン政権を倒すイラク戦争にももちろん
大賛成した。イディッシュ語と英語の比較文学を専門とするこの女性学者は
今回の米国大統領選挙ではブッシュ・チェイニー再選委員会に寄付をした。
すると間もなくハーバード大学の学生新聞の記者から連絡を受けた。
「一体、なぜそんなことをするのですか」
学生記者はこんな詰問を浴びせてきたという。
米国連邦選挙委員会の規則では個人が二百ドル以上の政治献金をした場合、
雇用の情報を開示することが義務づけられている。だからワイズ教授の寄付も
すぐ公表されたわけだ。
「一体、なぜ」という反応の理由はハーバード大学の教職員で保守派というのは
きわめて珍しいからだった。学生記者が連絡してきた時点では同大学の教職員
からの民主党ケリー陣営への寄付が合計十五万ドル、共和党ブッシュ陣営への
寄付が計八千ドルだった。九十五対五というあまりに偏った比率なのである。
479文責・名無しさん:2005/12/25(日) 19:57:54 ID:eW1x5w6V
ハーバード大学はじめ米国の主要大学の教授陣が、政治的には民主党
リベラル傾斜であることはすでに広く知られてきた。だが、ワイズ教授
が集めた資料によると、今回の大統領選での寄付金額でみる主要大学
教職員の民主党支持はコーネル大学が93%、ダートマス大学97%、
エール大学93%、ブラウン大学89%だというのである。まさに
聞きしに勝るリベラル偏向なのだ。
ワイズ教授はこの現象を「ジョン・ケリー大学」という皮肉っぽい
タイトルの論文にまとめ、十月下旬のウォールストリート・ジャーナル
紙に寄稿した。学園のリベラル偏向を「多様性を宣伝する大学社会の
スキャンダラスなまでの画一性」と批判したのだった。
同教授はこの論文で「私自身はリベラル派の同僚や上司から冷たく
みられるだけで思想の自由を享受しているが、大学で私のような終身
在職権がない助教授や講師、あるいは大学院生は保守派であることが
わかると実害を被ることが多い」と指摘する。確かに「リベラル派の
ユダヤ人裏切り」など多数の著書があり、比較文学でも業績を積んで、
いまは六十代の同教授には恐れるものはないのだろう。
480文責・名無しさん:2005/12/25(日) 19:58:57 ID:eW1x5w6V
だが同教授は自分より弱い立場の教職員らは別だとして、ハーバード
大学で保守主義信奉を隠さなければ終身在職権を得られないという展望
に耐えられず退職した女性の助教授や、イスラム問題をリベラルふうに
教えることに反発して契約を切られた若手講師の「被害」の実例を紹介
している。
ワイズ教授はさらにハーバード大学がリベラルの反軍志向から学生向け
のROTC(予備役将校訓練部隊)のキャンパスでの活動を禁じている
ことをも批判していた。
さて選挙が終わった後、ワイズ教授に電話をかけると、ハーバード大学
の政治傾向への考察を静かな口調で説明してくれた。
「この大学には行政大学院などという現実の政治を教える部門があるの
ですから、教える側も政治の現実を客観的に反映することが大切です。
なのに教職員はリベラル偏向、反保守が圧倒的に多く、その偏向が大学
全体のイデオロギー的圧力や知的威迫となって異論を許さない空気を
生んでいるのです」