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891をうpしてみる。
世代間負担 子供に選挙権を与えよ
日本たばこ産業相談役・元国税庁長官 水野勝
昨夏の参議院選挙の日にはゴルフの約束があったので、朝早く投票を済ませことにした。投
票が始まる20分前に近くの中学校に着いたら、まだ誰も来ていなかった。やがて年配の女性が
あらわれ、続いてラジオ体操帰りと見られるお年寄りが10人近く並んだ。
先頭の2人は、投票箱の点検を仰せつかる。若干の「公務」と投票を済ませてゴルフ場に向
かった。
最近では、プレー時の費用は、ありがたいことに1万円札に対して3千円近いお釣りがくる。
2年前に、70歳以上の人は1200円のゴルフ場利用税が免除になったおかげである。
わが国の高齢化は著しい。65歳以上の高齢者の割合は03年で19.0%であるが、現役引退を60
歳として線を引くと25・6%となる。4人に1人である。これを、選挙権のある20歳以上の
青年人口に対する割合でみると、60歳以上は31.7%に上る。
さらに、高齢者の投票に出かける機会費用は小さく、投票所に足を運ぶ人の割合は高いとさ
れる。前回参院選選挙区の投票率は56.57%であった。仮に60歳以上の7割が投票に出かけた
とすると、03年の人口比率によれば、選挙権を行使した人の実に4割が現役引退世代だという
ことになる。
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2/3:05/02/08 14:28:35 ID:i9/soJge
こうした現実の一方で、将来世代への負担の先送り現象が進行している。
05年度末での国債発行の累積残高は538兆円と見込まれ、これは国税収入12年分に相当す
る。
歳出予算の大きなものは社会保障関係費だが、その相当部分は年金その他の高齢者向けであ
る。歳出のもう一つの柱は公共事業関係費で、その効用は将来に持続するが、社会資本の維持
管理などで将来世代の負担にならない保証はない
高齢世代への配慮が重視されるなかでの負担先送りにおいて、年少世代、さらに将来世代の
利害得失が十分認識され、その意思が反映されているとは言い難い。
ゼロ歳児からのすべての未成年者にも選挙権を与えてよいのではないかという議論がある。
これをとっぴな説として退けるべきでは、もはやあるまい。正面からまじめに検討すべき段階
にきていると考える。
民法第1条ノ3は、「私権ノ享有ハ出生ニ始マル」としている。人は出生と同時に財産権を
中心とした私法上の権利の主体となることができる。この場合、現実の権利の行使は、親権者
たる両親が代理する。
憲法は、「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う」としており、税法上、
未成年者といえども納税義務を有する。親から財産をもらえば小学生であっても相続税や贈与
税が課税される。未成年者がタレントやスポーツ選手になって稼げば、所得税を納めなくては
ならない。
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3/3:05/02/08 14:30:07 ID:i9/soJge
選挙権については、憲法は選挙人の資格は法律で定めるとし、公職選挙法は選挙権を成人者
に限っているが、私権や納税義務の場合と同じように、未成年者にも選挙権を与えてよい。未
成年者の投票権行使は、両親が代行する。
これによって、今後ますます高齢化が進展するわが国で、世代間の負担と受益との均衡が図
られる。
親も、独り自分自身のことだけでなく年少世代の分まで考えて投票するということになれば、
簡単に棄権することはできなくなり、投票率の向上につながる。また、子供の出生率の上昇に
つながるのではないかとも期待される。