>>258 251じゃないけどウプします。
この1年
素粒子筆者が振り返る
河谷史夫論説委員
暮れになると、暮れの噺「芝浜」に振った志ん朝のまくらを思い出す。
「1年たちまして、早いもんですな。昔っから『光陰矢のごとし』なんて言
葉がありますが、これはどういう意味かというと・・『光陰というものは、あ
ーあ矢のごとしだなァ』という意味だそうですな。たいへんにまあ、難しい言
葉でございまして・・」
志ん朝が逝って3年がたつ。歳月の去るのは早い。
× ×
私は日々、夕刊の片隅の「素粒子」なる吹けば飛ぶような囲みを埋めている
が、振り返るに、今年は言葉について考えさせれれることがたいへんにまあ、
多かったなァ、という思いだ。
× ×
何かと評判の悪いNHKで、私も何度かNHK批判をしたが、見るのはNH
Kしかない。「地球大進化」を見ていて、ネアンデルタール人とホモサピエン
スを分けたものは「言葉」であったという指摘に粛然とした。それは声帯が少
し下がったことでもたらされた幸運だったのだ。もし言葉を持てなかったら、
われらのご先祖はとっくに絶滅していたに違いない。
(続く)