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職人見習:
人質殺害 日本は真摯な謝罪を
辛 酢碁 (東大阪市 56歳 団体職員)
イラクのザルカウィ氏派の武装勢力によって誘拐されていた香田証生さんが
首を切断されるという残虐な方法で殺害されました。罪の無い民間人であるにも
関わらず殺害された香田さんとそのご遺族に対し深い哀悼の意を表したいを思います。
そもそも今回の事件の原因は日本の戦時中の行為にあると思います。
伝統的に「武」の文化であった日本は、「文」の文明であった朝鮮・中国とは違った
残忍性をその奥底に秘めています。日本では、前近代において首切りという残虐行為が
日常行為のように行われていました。その悪しき伝統が近代の侵略戦争と植民地支配に
おいて全面的に表れました。旧日本軍によって首を切断され虐殺された抗日パルチザンや
独立運動家は数知れません。日本のアジア侵略はそのような残虐行為が全世界に
広がるきっかけになりました。ザルカウィ氏のグループもその影響を知らず知らず
受けてしまったのでしょう。日本政府は殺された香田さんとそのご遺族に対して真摯に
謝罪する義務があります。それと同時にザルカウィ氏のグループが対米パルチザンという
それ自体では正当性のある行動を取っていることを考えれば、今回の行為で支持者を
減らしてしまったであろう、ザルカウィ氏に対しても率直に謝罪しなければなりません。
しかし以上のような理に適った視点は日本のマスコミには望むべくもありません。
香田さんに謝罪もせず、一方的にザルカウィ氏を批判する日本の報道を見て、
85歳になる私のオモニは過去の日本人の行為を思い出し、震えが止まらなかったと
言います。日本が私たち在日朝鮮人をはじめとする被害者の立場にたって、
自らを省みるときはいつ来るのか、ため息の出る今日この頃です。