「2ちゃんねる」化する社会  京都新聞

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699今日の京都新聞をうp
 就職でもコネを利用することに後ろめたさを感じない、与えられたものに疑
問や反発を感じない若者が増えています。
 <「ぷちナショナリズム症候群」の指摘に「W杯での騒ぎは、一体感を求め
るスタジアム周辺の若者達の現象で、ナショナリズムとは無関係」という異論
もある>
 でも、あのころは匿名の掲示板などでも「ニッポン主義・外国排除」がほと
んど。「W杯はイヤだ」「自分は関心がない」ということが許されない雰囲気
でした。以前は、みんなが一斉に同じ方向で何かをすることにアレルギーがあ
ったのに…。
 他者排除の傾向
 今の若者達は、自分の内面に不満があるのに、それに目を向けず、他者を否
定し、排除する傾向があります。治安の問題でも、自分の街だけ平和であれば
いい、と。
 気になるのは「日本人としてのDNA」とか「固有の伝統」とか、荒っぽい
考え方に結び付けて外国人を排斥するなど、ナショナリズムがネガティブな形
で出てくるんじゃないか。イラクへの自衛隊派遣も「行ってしまったんだから」
と、意図的につくられた現実を受け入れていますよね。
 幅広い選択肢提示を
 こちらから考えを示すと「そういう問題意識があることを知らなかった」とい
う若者が多いんです。日の丸君が代についてもそうですが、いろんな意見と選択
肢があるという情報が与えられず「それしかなかった」として育ってきたんです。
 重要なのは「こういう考え方、こういう経緯もあるよ」と言うこと。「これは
おかしいかも」「こういうこともあった」と小さな声でも伝えることだと思いま
す。
700今日の京都新聞をうp:04/05/17 15:48 ID:rGDPwzoK
 若者にとっては「本当にこれでいいか」「ほかに道はないか」と疑問を持つの
が基本。そして自分の意思で選択することが大事です。
(聞き手は共同通信編集委員 小池新、写真 山下純司)
小さな声でも伝えよう
かやま・りか 1960年札幌市生まれ。東京医科大卒。学生時代から雑誌などに投
稿。その後も新聞・テレビ・雑誌などで社会批評や文化批評を手掛け、現代人の
“心の病”について考察を続けている。帝塚山学院大教授。専攻は精神病理学。