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>>677の続き)
23日付の朝日新聞で日本紛争予防センターの明石康さんは、家族が政府に救出を要求した点について
「政府とは異なる目的で行動しているはずの個人が、危機状況では国家に頼るという日本的構造が残っている」
と批判している。
そうだろうか。武装勢力が交渉相手としたのは日本政府なのだから、家族が政府に交渉に応じるよう
要求するのは当然だろう。そもそも、3人の生命を危険にさらしたのは、ほかならぬ自衛隊派遣という
政府の行動だ。政府は危険を増幅した責任がある。
彼らにとどまらない。私たちの危険もまた、政府の行動のせいで、高まっている。テロのグローバル化の
おかげで、国外、国内を問わず、日本人だというだけで、危険がふりかかってくるかもしれない。
武装勢力は市民を人質に、日本という国家と交渉した。国家は早々に、交渉に応じることを拒否した。
にもかかわらず、武装勢力は市民と国家を区別し、人質を解放した。血で血を洗う戦闘状態のなか、
多くの人々の関与で、これほどまでに理性的な判断が成立したことが、事件でなくてなんだろうか。
高遠さん、郡山さん、今井さん。どうぞ顔を上げて、胸を張って、堂々と、私たちの前に出てきてほしい。
そこで、あなたたちのためにたくさんの人たちが動いたことに、心から感謝すればよい。
しかし、決して謝罪などしないでほしい。あなたたちは被害者でこそあれ、何一つ悪いことをしていないのだから。
わたしはあなたたちのような勇気のある市民を持ったことを、誇りに思う。