本日付「声」(宮城版)
『起立を拒んで 私は嘱託解任』
無職 平松辰雄(埼玉県川越市 64歳)
社説「国旗・国歌・甲子園とは話が違う」(2日)に熱い共感を覚えました。
私は今年度も東京都立高校で教務を担当するように校長から嘱託され、国語担当として
時間割にも組み込まれていました。ところが先月30日、都教育委員会から「採用を取り消
す」と文書で通告されました。
大学院生として非常勤講師だった時代から36年間、都立高校に勤めてきました。定年退
職後も嘱託教員として4年間働きましたが、日の丸に向かって起立し、君が代を斉唱せよ
という職務命令を受けたのは今回が初めてです。
都教委は卒業式会場の小体育館に監視役を配置しました。教頭は従来の分担を外れ、
国歌斉唱のさ中に着席を続ける私の後ろに回り、「平松先生、立って下さい」と大声を上げ
たのです。私は嘱託教員になってから卒業式のこの場面で着席を続けてきました。それで
も、起立を強制されたのは初めてで、今回はそれだけ異常でした。
社説には当時の小渕首相が国会で「頭からの命令とか強制とか、そういう形で行われてい
るとは考えておりません」と答弁したとあります。それなのになぜ、今、都教委は教育を命令
と処分で動かしてゆこうとするのだろうか。