http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/mass_media.html?d=31mainichiF0331e152&cat=2&typ=t <週刊文春>出版差し止め命令取り消し 東京高裁 (毎日新聞)
前外相、田中真紀子衆院議員の長女らの私生活を取り上げた「週刊文春」の出版差し止めを命じた仮処分決定を巡る保全抗告審で、東京高裁(根本真裁判長)は31日、発行元の文芸春秋(東京都千代田区)が申し立てた保全抗告を認め、
「事前差し止めは認めることはできない」として差し止め命令を取り消す決定を出した。長女側は決定を不服として、最高裁への特別抗告を検討するとみられる。
東京地裁が16日に出版差し止めを認める仮処分を決定したため、文芸春秋側が保全異議を申し立てたが、19日に同地裁(異議審)が異議を退けたため、文芸春秋側が20日、保全抗告していた。
地裁の異議審は「長女は公務員でも選挙候補者でもなく、それに準じた立場にもないから純然たる私人」とし、記事は「公共の利害に関する事項」ではなく「公益を図る目的」もないと判断。
さらに、「(報道内容は)他人に知られたくないと感じることがもっともであり、保護に値するプライバシー」と認定していた。
そのうえで、「公表により著しい損害を被る恐れがある」と指摘し、出版による長女の不利益と、差し止めで生じる文芸春秋の不利益を比較し、「表現(記事)の価値はプライバシーの価値より低い」と長女ら側の主張をほぼ認めていた。
問題となったのは、3月17日発売の週刊文春(3月25日号)が3ページにわたって掲載した長女ら側の私生活に関する記事。16日夜に事前差し止めを認める東京地裁の決定文を受け取った文芸春秋側は、約77万部のうち約3万部の出荷を取り止めた。
仮処分決定は「切除または抹消しなければ、販売や無償配布したり、第三者に引き渡してはならない」と判断していた。【小林直】
[毎日新聞3月31日]