3月5日 大阪版 声の欄
『首相の頑固さ 実害を招いた』 住職 東野 廣(滋賀県 78歳)
経済発展を続ける中国は新幹線技術の導入に日独仏3国のいずれかを選ぶことに
なっていて、日本としては、ぜひ選定してほしいと念願していた。
もし参入できれば、政治的には硬直した日中関係の融和が将来にわたって図られる。
経済的には鉄道関係のみならず、産業全般に新天地が開かれ、文化的にも日中交流の
画期的な拡大が進む。さらに、今世紀中には遠くヨーロッパに至る「鉄のシルクロード」も
夢ではないと考えられている。資源が無くて技術を売る日本としては、世界に名を売る絶好の
機会になるはずだ。
しかるに、先ごろ中国を訪問した公明党の神崎代表に対して中国側が、小泉首相の靖国
神社参拝問題で日本の参入は難しくなったと伝えたとのこと。長年にわたって中国や韓国、
東南アジア各国との外交に重大なつまずきを来していた首相の頑固な態度の結果が、いよ
いよ実害として現れてきたといえる。
首相は「自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」から、イラク派兵をすると
いうが、靖国問題では逆になっているではないか。首相は中国に飛んで事態の好転を図るか、
国民に謝罪すべきで、だんまりは許されない。