社民党、護憲の新理念 憲法9条と25条で平和的生存権
社民党が4月の臨時党大会で発表する「社会民主主義宣言(2005)」の素案が29日
明らかになった。基本理念として「平和・自由・平等・共生」を掲げ、戦力不保持を規定する
憲法9条と、すべての国民が健康で最低限度の生活を営む権利を保障した25条を合わせて
「平和的生存権」と規定し、重視する姿勢を強調したのが特徴。護憲勢力が退潮するなか、
この二つの条文の堅持を譲れない線として打ち出した格好だ。
社民党は昨年の総選挙で議席が18から6に大幅減。共産党を含めた護憲勢力の退潮に
危機感を募らせており、党として新たな指針を掲げることを迫られていた。
素案では、憲法が前文で「全世界の国民が平和のうちに生存する権利を有することを確認する」
としていることを指摘したうえで、「平和的生存権を最も根源的な権利として重視する」と強調。
平和的生存権を確立するため、国連の強化と同時に「対話と協力を柱にした多国間の安全
保障の構築」をめざすとし、具体的には北東アジア地域に「総合安全保障機構」を創設。
地域内の紛争予防に努めるとしている。活動内容は「信頼と協調、対話と協力を基盤」にするとし、
主に非軍事分野を想定している。
また、二大政党制の流れを「日本社会に必ずしもマッチしたものだとは考えない」と批判。
「第三極」としての方向性を打ち出し、「目指すべき社会のために、連立政権に参加し、
政策を実現させることに積極的に対応していく」と明記した。
社民党執行部は4月10日の臨時党大会で素案を公表し、党内だけでなく市民グループや
支持労組の意見を聞いたうえで、来年の党大会で決定する方針だ。
朝日新聞
http://www.asahi.com/politics/update/0330/002.html