117 :
文責・名無しさん:
>>80 >>96 外務省職員の死亡事件に関する声明 靖国解体企画
0.殺害を肯定してはならない
11月29日、CPA(連合国暫定当局)に日本政府が派遣した外務省職員2名とイラ
ク人運転手がイラク・ティクリートにおいて殺害された。私たちはこの殺害が弾劾さ
れなければならないと考える。それはいかなる場合にも「殺すことはない」からであ
る。
そう、いかなる場合にもだ。「テロとの戦い」や「大量殺戮兵器の解体」を経由する
二重基準を私たちは許さない。13年にわたる空爆に引き続く占領と掃討作戦で多くの
イラク人を殺害してきた米英軍、米軍政当局は何よりも弾劾されなければならない。
また、米軍政を支持し、金を渡し、人を派遣することで具体的に占領に手を貸してき
た日本政府も、米軍政の指揮を受け侵略と占領を支えていた外務省職員も同様に弾劾
されなければならない。
(つづく)
118 :
文責・名無しさん:03/12/05 00:53 ID:SKkQi8xZ
1.遺志を継いではならない
マスメディアを中心に、殺害された職員の遺志を継いで復興支援を続けるべきという
主張が繰り返されている。しかし、この主張には見過ごすことのできない2つの問題
がある。
第一に遺志は表明され得ないし、表象してはならない。いまわのきわ、仮に死ぬ者が
そのように切り取られた時間を経験するとして、そこに彼らが抱く想念のありような
どおよそ知れるはずがない。死に直面してなおこの世に抱く欲望を遺志とするなら
ば、彼らに水を飲ませ、飯を食わせ、排便をさせ、眠らせることにこそ尽力すべき
だ。しかしそれらをかなえることはできない。彼らはすでに死亡しているからであ
る。死者は語ることができない。死は取り返すことができない。
第二にたとえ仮に実現可能な遺志を知り得たとしても、彼らの遺志を特権化する理由
はない。私たちは彼らを知らないし、彼らの遺志がイラクでこれまでに死を強いられ
た、私たちが知らない無数の人々の遺志に優越する根拠もない。まして行政機関が一
職員の遺志を支えに権力を行使することは許さざるべき公私混同である。
共感と想像の力に頼んで遺志に辿り着こうと呼びかける者、遺志を継ぐと語り出す者
に私たちは警戒すべきである。神妙な面持ちによって、ときには涙を交えて語られる
遺志は、それを語る者の薄ら笑いと欲望を覆い隠す。
119 :
文責・名無しさん:03/12/05 00:54 ID:SKkQi8xZ
2. 追悼は拒否しなければならない
追悼は政治である。二度と結び得ない死者との交通を図ろうとする弔いへの絶望的な
意思を簒奪し、弔いへの渇きをもたない者たちが現世の利害から死に一方的な意味づ
けを与えることである。外務大臣・川口順子は1日に外務省で行われた追悼式で300
名の職員と共に黙祷し、「2人が抱いた使命感を自分たちのものと」すると涙ながら
に語ったという。しかし、川口こそ殺害に直接の責任を負うべきである。あろうこと
か川口は、交渉と妥協を職能とする外交官を交渉相手なき軍事の場に送り込んだ。川
口こそ米軍政への協力を撤回し、彼ら職員に撤退を命じる権能を持つ者であった。に
もかかわらず予期した危険を回避することなく部下を死ぬに任せたのである。
殺害に責任を負うべき者が死を予約された者の前に進み出で、けして自らに振りかか
ることのない使命を誓う醜悪さ。公務死を賞賛するすべての言説を私たちは拒絶す
る。遺志は生きる者によって捏造され加工された言葉だ。殺害された職員が記したと
される「テロリストの放逐」に遺志たる資格を認め、それを継ごうとする者たちは、
生きる者の欲望を死者に語らせることで正当化する卑劣さを恥じ入るべきだ。
120 :
文責・名無しさん:03/12/05 00:55 ID:SKkQi8xZ
3.米軍は占領をやめよ。小泉は戦争協力をやめよ。
川口順子の言葉を共有し黙祷を共にしたことで、外務省300名の職員は次の死を予約
された。次は自衛隊員が、そして戦争に荷担する限りにおいて私たちが死を予約され
た者たちとなる。4日には被害者の死体が日本に搬送され、そのことを契機に追悼に
よる公務死の称揚と戦争協力の継続が声高に謳われるだろう。唯一の脱出策は追悼を
拒絶することである。すべての外務省職員は公務死から逃げよ。自衛隊員は持ち場を
離れて脱走せよ。私たちは米軍による占領を終了させ、日本政府による戦争協力をや
めさせよう。
2003.12.2 靖国解体企画(no2yasukuni@...)