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その1:
私の視点 ウィークエンド 11月15日 大阪版31面
石原知事発言日本への関心低めるだけ 張済国 東西大学(韓国・釜山)教授・日本センター長
東京都の石原慎太郎知事が先月末、日韓併合について「(当時の韓国の)政治家たちが合議して決めた」
「どちらかと言えば彼らの先祖の責任」などと発言した。また、衆院選の応援演説では、中国の有人ロケット
打ち上げ成功に触れて「中国人は無知だから喜んでいる」と語った。 石原氏は日本の政治家としては、アジア
では最も有名だといっても過言ではない。その石原氏の発言に、韓国や中国の人々は憤っている。本人は
「日常会話」のつもりかもしれないが、言われた側にすれば不愉快極まりない。 私は、石原氏の東京都政に
対するビジョンや、創造的な政策について、評価する面も多いと考えている。石原氏自身の思想や事実認識に
干渉したり、批判したりするつもりはない。 現代の韓国社会は、自らの体験に基づき反日的な言動をする
個人がいても、政治家一人の発言がきっかけになって全体が一気に反日に傾くことはない。一般の日本人に
しても「またか」という反応だろう。 現在の日韓関係は、一部の「過去志向的」な政治家の発想より、
はるかに成熟していると言ってよい。 しかし、この時期の石原氏の発言が見過ごせないのは、すでに沈下
しつつある韓国人の日本に対する関心を、さらに低下させる原因になるという点だ。 「日本離れ」と対象を
なすように関心を集めているのが中国だ。 中国の著しい経済発展とその潜在力は、毎日のように韓国の
マスコミで話題になっている。書店では中国関連書がベストセラーになっているし、中国に「早期留学」する
小学生も珍しくない。かんこくではすでに「中国の時代」が到来しているようだ。