『産経抄』ファンクラブ 第11集

このエントリーをはてなブックマークに追加
309文責・名無しさん
「『つくる会』の幹部や会員をみると、共同体やモラルへの希求が、そこに流れこんでいるようです。
グローバリゼーションと冷戦終結によって、国内的にも国際的にも、政治や経済、社会が流動的になった。
これまでの経済構造のもとで成立していた会社組織や地域社会、学校、家族、価値観なども変化せざるを
得ません。(中略)」
 「社会変革の理念が見当たらない時代ですから、現状への不安や不満を訴えたくても、『わが日本を
どうするか』といったナショナリスティックな語り方しか提供されていない。『<癒し>のナショナリズム
』には『つくる会』の一般会員たちのインタビューが収録されていますが、それを読んだある作家は『
この人たちは権力があるわけでもないのに、どうしてこんなに<上>からものを言うんだろうね』と言って
いました。

おそらく、彼らがテレビや雑誌上の評論家の語り方にしか、社会を論じる方法に接したことがないから
でしょう。地域で具体的な問題に取り組んでいる人なら『この原発をどうするか』とか『この開発計画
をどうするか』といった語り方はしても、『わが日本をどうするか』といった語り方にはならない」
 「『つくる会』の人たちは『エゴイズムの横行は戦後民主主義のせいだ』といった批判をします。
しかし彼らは、本当は戦後の思想も歴史もよく知らない。戦後の進歩派はエゴイズムに批判的だったし、
平和主義をナショナルな理念として打ち出していた。むしろ保守派のほうが、理想より経済成長、平和
主義より対米協調と言い続けてきた。その経済成長がエゴイズムをもたらしたとすれば、彼らが批判す
べきは保守派のはずでしょう」