637 :
文責・名無しさん:
もう一つ私が日本の報道機関に大きな怒りを感じたのは、イラク特別委強行採決の一日前、一月二十九日の特別委審議の報道である。この日の委員会
には、参考人として、日本国際ボランティアセンター代表理事の熊岡路矢氏が出席して、イラクに自衛隊を派遣しても、意義ある活動が全く出きないばかり
か、かえって危険でもある所以を、自分たちNGOがイラクにおいて展開してきた活動経験から、縷々具体的に説明した。(中略)
聞けば聞くほど、自衛隊がイラクに行くことに全く意味がないことがわかってきた。しかし、テレビはその発言を一切報じなかったし、新聞も朝日新聞が
つまらぬことを十行書いた以外、どこも何も書かなかった。そして、イラクの現地報道では、新聞もテレビも自衛隊の活動を微に入り細にわたり伝え、それが
現地の人にいかに有意義である歓迎されているかを強調する報道を毎日つづけているのに、NGOが現に行っている多彩な活動など、どこもほとんど報道して
いない。また、自衛隊派遣にかけられるバカバカしいほど多額な費用のコストパフォーマンス面からの批判などどこもやっていない。
日本の報道機関が政府広報機関と化してしまっているというのはこういう意味だ。
638 :
文責・名無しさん:04/03/12 17:49 ID:BN0fV1pK
わが国の安全保障政策に憲法九条の制約が厳然と存在することは事実である。しかし、これまで見てきた通り、首相、防衛庁、外務省と内閣法制局がつるめば、漸進的にではあっても
いとも簡単に解釈改憲が行われ、それがまかり通るといういい加減さもこの国の安全保障政策は併せ持っている。(中略)
一方、日本では、ある日の国会答弁や首相の記者会見を境に、突然できるようになる。しかも、政府の誰一人として「憲法解釈を変えました」と言わない。
小泉首相は来年十一月までに自民党としての憲法改正草案をまとめると述べているが、このような行政府限りの解釈改憲が許されるのなら、憲法改正など不要ではないかとさえ思うのは
筆者一人ではあるまい。(中略)
政府も政府なら、昨年行われたイラク特措法審議の際、政府の「なし崩し解釈改憲」を傍観してしまった国会とメディアもどうかしている。安全保障及び憲法論への無知によるものか、
比較的高い水準を維持する内閣支持率に気後れしているためかは定かでないが、政府の珍答弁を聞かされながら、それが解釈改憲であることを鋭く追及した国会質疑も新聞の論説も驚くほど
少なかった。「派遣先にありき」で国家の基本法である憲法の解釈を小手先で変える政府と、それを黙認して平気な国会及びメディア。