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文責・名無しさん:
「多様性」の原則は、多角的で多様な報道活動によって、はじめて真実追求が可能になるという
考え方に基づいているのに、この点が日本では軽視されているように思う。放送法の番組準則
は「意見が対立している問題について」多角的な取り上げ方を求めているが、ジャーナリズム
はすべての問題について、いつでも多角的な取材、多角的な言論・報道が求められる。それは
バランスのためではなく、真実追求に不可欠なものである。
日本の新聞・放送は批判や反対派の報道をするにあたって、とかく形式的に流れ、バランス
を示すための口実に使っている場合が多い。関係者や識者の「談話」の取り方にも、それが現
れる。少数派の動きや声を報じることが、あくまで真実追及のプロセスとしてとらえられてい
ない。おざなりの「談話」でお茶を濁していることが少なくない。何のためにこの談話を取材
し報道するのか、ろくに考えもせずに形だけつけようとするものが日常いかに多いことか。読
者としても取材を受ける側としても、疑問を感じることが少なくない。