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常職人 ◆Y0gSeJpyho :
西日本新聞 5月19日 読者欄「こだま」
自殺促さない保険の制度に
大坂○えり子 48歳 熊本市 主婦
生命保険ができた背景には、一家の大黒柱が交通事故などで死亡した時に、残された妻子が路頭に迷わないようにする
ためという、愛の思いがあったといわれている。
しかし、長引く不況も手伝ってか、その生命保険で借金を返そうと、自殺する人まで出てきた。私の知り合いで「俺が
死んだら、生命保険で店の借金が返せる」とつぶやいた夫に対し、とっさに「あら、うちの生命保険は解約しちゃったから、
あなたが死んでもお金はおりないわよ」と言って、夫の自殺を未然に防いだ奥様がいる。
それはうそだったのだが、美しいうそであったと思う。それよりも、こんなうそをつかなければならないほど、生命
保険制度が自殺の温床になっていることの方が恐ろしい。
自殺に保険金が出るのはおかしい。それは、最初に生命保険という制度ができた時の動機にも反する。動機は愛だった
のだ。自殺のお手伝いではない。保険会社はその事をよく考えて「自殺をしても保険金は出ませんよ」というキャン
ペーンと、契約条項の改正を急ぐべきであると思う。